黄金の米炊飯法

February 19, 2009

玄米の炊き方

*この記事は、2010年10月に、完全版が投稿されています。
【玄米の美味しい炊き方 (2010 / 完全版)】

達人技をもって、美味しく炊きあげられた白米を<銀シャリ>と呼ぶのなら、
玄米の場合、<金シャリ>と呼びたい。
完璧に炊きあがった玄米は、まさに『黄金のひと粒』

黄金の米










そんな黄金の米を炊きあげるには、長く苦しい修練と経験で編み出された
「達人の錬金術」が必要・・か?と云われると、
そんなことは全然ないですよん。

「炊く」が分かれば、誰にでも出来ます。
誰でも美味しい玄米が炊けるようになれる。僕はそう思うの。

今日のレシピは、「美味しい玄米ごはん」の炊き方。


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February 18, 2009

天地返し

ごはんの炊飯法で『天地返し』という必殺技があります。
蒸らしあがったごはんを、しゃもじの先で4つに切り、
それぞれの上下ひっくり返す技です。

玄米の炊飯法でも、だいたいこの方法をとるように指示されていますね。

では、なぜ『天地返し』が必要なのでしょうか。

羽釜 基本的に炊きあがったごはんは、
 いつまでも釜に入れておくと
 確実に味が落ちます。

 ベチョッとして、水っぽく
 米粒が潰れてしまう。

 それは羽釜のごはんでも、
 炊飯器のごはんでも一緒です。


炊きあがったごはんは、蒸らしが完了した時点で米粒に吸収されなかった
『余分な水分』があります。

天地返しをすることで、その余分な蒸気を逃がしてあげます。
同時にふんわりと空気を入れてほぐすことで、米粒が潰れてしまうのを防ぐのね。

もうひとつの理由。
実は、炊きあがった鍋のごはんには、美味しいとこと、
美味しくないとこがあるのです。

では、鍋の中、炊きあがりの違いを図解しましょう♪

鍋の中













炊きあがったごはんの表面は、やや乾いていて美味しくないとこ。
その下、鍋肌にそった部分が、実は一番美味しいんです。
次が中心。
その次が鍋底。

美味しい,美味しくないと云う表現は、人によって分かれると思います。
要は『炊きあがりにムラがある』ということ。

天地返しは、全体を均一にしてあげることで、
茶碗によそった時に、鍋の中の「陰陽」全体が、
ムラなく盛り込まれるようにしてあげる目的があるの。


で、僕は天地返しはしないんです。
(羽釜でそのままテーブルに出すならするけど)

おひつにふんわりほぐしながら、優しく移してあげる。
蒸気も抜けるし、茶碗によそったときのふんわり感を大切にしたいのです。


いろんな道、いろんな選択がありますね。

表面の部分は、すべて旦那の茶碗に盛り込み、
一番美味しいとこは、自分の茶碗という選択もあるんですよん(笑)。


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玄米を炊く

玄米を炊く









圧力鍋での、玄米の炊き方をマスターするためのヒントが書かれたページです。
玄米の炊飯方法について、僕が知っていることを、
ビッチリ書いたので・・記事はちょっと長めです。

みんながおいしい玄米ごはんを炊けるようになりますように。


玄米の炊き方 パパ流『黄金の米炊飯法』


【キーワード】
炊飯法の記事の説明を補うためのページです。

玄米を買う
アルファー化
圧力鍋
選り米
吸水
玄米を量る
洗米
火加減
天地返し


【関連する記事】
玄米に関連して、書かれた記事の紹介です。

マクロビと玄米 1)玄米食の問題点
マクロビと玄米 2)玄米と農薬
マクロビと玄米 3)玄米は太る?
マクロビと玄米 4)フィチン酸の中の悪魔?
マクロビと玄米 5)フィチン酸の中の天使
マクロビと玄米 6)発芽玄米 前編
マクロビと玄米 7)発芽玄米ってなんですか
マクロビと玄米 8)発芽玄米 後編
マクロビと玄米 9)炊くって何ですか?
鍋について 1)圧力鍋

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February 15, 2009

火加減

玄米の炊飯法について説明していて、
「中火」とか「中弱火」とか、分かりづらいかなと感じました。

別ページをここに作って、ちょい説明しておきますね〜。

僕が使う火加減は6段階です。

火加減






『全開!』『強火』『中火』『中弱火』『弱火』『極弱火(とろ火)』ね。

『中弱火』とか、あんまり他の人が使ってるの聞いたことないなぁ。
ちょっと説明しときましょね。

全開 『全開!』
 
 ガスの栓を目一杯ひねった状態。
 鍋底から火がはみ出してる全開の火加減。

 これを強火だと思っている人が多いんだけ
 ど、実は違うの。


強火 『強火』

 鍋底の全体に火がまんべんなく当たる状態。
 火がはみ出さない状態。
 一番強く、効率良く鍋に火が入る火加減ね。

 はみ出した火は、無駄になっちゃうから
 もったいないの。

中火 『中火』

 鍋底にガスの火の先端が届く状態。
 強火の半分の火加減です。

 これ弱火だと思っている人が多いそうです。
 すると火が強すぎて、料理が上手くいかない
 のね。

中弱火 『中弱火』

 パパ的、曖昧な火加減。
 中火と弱火の真ん中くらい。

 弱火だと足りなくて、中火だとちょい強い
 かなと云う時に使います。


弱火 『弱火』

 鍋に対して、半分の高さの炎。
 中火の半分弱くらい。
 じっくり火を入れる時に使います。




極弱火 『極弱火』

 一般的に『とろ火』と呼ばれる火加減。
 消えるか消えないかのギリギリの炎。

 長時間、炊いたり、煮込んだりするのに
 主に使われます。


一般的に、カセットガスコンロは、都市ガスの火力の1/3。
また火力の強い『ハイカロリーバーナー』とか装備しているコンロもあるでしょうから、『炎の大きさ』より『必要な火力がどのくらいか』が大切なんですね。

火加減のお話でした。


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February 11, 2009

吸水の科学

mizu
 玄米の炊飯で、大切な2つの要素のひとつ。
 『水』のコントロール。


 『水』があって、初めてデンプンは
 「アルファー化」出来るんです。
 逆に云うと、水が無いと炊けないの。


「玄米って、芯が残って美味しくないわ!」と云う人のほとんどは吸水不完全。
玄米の芯に水が行き渡ることなく、一気に炊き始めてしまうケース。
米粒の表面が糊になり、芯までもう『水』が入らない。

その状態でいくら『熱』をいれても、デンプンは変化しません。そのまんま。
結果、芯が残るのね。

『水』のコントロールが、大事なんです。

吸水に必要な『水』は、玄米の容量に対して130%。
ここ大切なとこだから図解しとくね。

吸水


















玄米が「ごはん」として完成する前に、
玄米に<130%の水>を送り込む必要があるの。

そのうち水に浸けといて、吸水する限界が『30%』。
そのうち1/3が、米を洗う2分間に一気に吸い込まれるんです。
炊くのにミネラルウォーターを使う人は多いけど、洗米にも良い水を使いたい。

ちなみに『アルカリイオン水』はダメです。
お米のデンプンを壊しちゃうのね。


で、どのくらいの時間、吸水させとくか。
ここが問題。


1)冷蔵庫で24時間と云う人。
2)高めの温度(35℃以上)で高速吸水させる人。
3)無吸水で炊く人。
4)常温で3〜4時間と云う人。

浸ける時間は人によってバラツキがあります。
実際、どのくらいの時間で吸水できるのでしょうか?


【ケース1】冷蔵庫(5℃)で24時間の低温吸水

200gの玄米のサンプルを5℃で吸水させてデータ16回の平均。

低温グラフ














「最初の2分間の洗米」だけで、そのうちの1/3を吸水しています。
その後、「4時間の吸水」で、さらに1/3。
後はゆっくり吸水が進み、完全な吸水が終了するのが24時間後です。
(吸水の度合いは、米の状態でも大きく変化します)

ただ低温(5℃)だと、玄米の発芽酵素が働けない可能性が大きいです。
低温水で発芽・吸水させる場合、10℃以上が良いようです。


【ケース2】35℃での恒温玄米吸水法

【恒温 こうおん】とは、一定の温度が保たれること。
人肌程度の温度を保って、吸水を促進する方法です。
そのために『保温鍋』を使います。

シャトルシェフ

 保温鍋「シャトルシェフ」。

 ステンレス製の内鍋を火にかけ、
 それを【魔法瓶効果】のある
 外鍋に入れることで、その余熱で
 長時間調理ができるという仕組みです。





洗米した玄米をたっぷりの水と一緒に保温鍋に入れて、
【発芽適温に近い32℃前後】まで加熱します。
それをシャトルに移して、<恒温吸水>させます。

吸水率が温度でどれだけ加速できるかを見てみましょう。

吸水グラフ












基本的に温度が10℃上昇すると、化学反応の速度は2倍になります

5℃で「24時間」かかっていた吸水も、
発芽適温32℃なら「4時間」で終わります!
発芽上限40℃なら「3時間」で完全吸水です。

ハイスピードで、玄米の発芽酵素を活動させる方法ではあるんですが、
米粒が崩れやすく、ごはんの食味が落ちます。

美味しい「ごはん」には、スローな時間が必要なのかもしれません。


【ケース3】無吸水で炊く

僕は、米も『乾物』の仲間と、同じように考えています。
ひじきや干し椎茸と同じように、水でしっかり戻して料理します。

無吸水(給水時間なし)でも炊けることは、炊けるんですが、
時間をかけて、水を「米の芯」まで含ませた方が、味が良く、
栄養価も高くなります。

『無吸水炊飯』は、基本的にお店で玄米が足りなくなった時に緊急手段でした。

吸水してから炊飯する方法をおススメしますよん。
今回は、おいしい玄米食べるのが目的ですから。


【ケース4】常温で3〜4時間吸水

室温の『水』に浸けて、3〜4時間。
水温が12℃〜20℃だとして、そのくらいの時間で玄米の吸水率は7割前後。
20〜25%と云うとこでしょうか。

kome
 玄米は『半吸水』と云う状態。

 この玄米を残り100〜110%
 の『水』で炊くのが、
 一番玄米が美味しく炊けます。
 (炊くときの水分調整はまた別の記事)


吸水時間は長くても炊けます。
8時間も浸ければ、もう吸水はほとんど終了です。
前の晩から浸ける方法で、だいたいこのくらいの時間でしょうか。

ただ長く浸けすぎると、少し食味が落ちます。
経験上、『3〜4時間がベスト』だと感じます。

白米とは違い、玄米は長く水に浸けておいても、
米の表面が溶けてしまうことはありません。
たっぷり吸水させることで、玄米の甘みと粘りを引き出します。

どの吸水法が正しいと云うのは無いんですよ。
いろいろ試して、これ美味しいじゃん!というのを探して下さいね。

「美味しいが正しい」ですね。



【関連する記事】
マクロビと玄米 6)発芽玄米 前編
マクロビと玄米 7)発芽玄米ってなんですか
マクロビと玄米 8)発芽玄米 後編

玄米の吸水時間<完全版>


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