May 16, 2010

もりのいえに行こう(2/2)

滝である。

たき










水しぶきを上げて、轟々と流れ落ちる。
その様を、車窓からぼーっと眺めるパパ@マクロビ。

その美しさに、しばし現実逃避。


maasanの「もりのいえ」で開かれるワークショップに参加するため、
一路、岐阜県加子母村(かしもむら)を
目指して車を走らせ、珍道中。
(珍道中→/『もりのいえに行こう 前編』)

荒れ道をすでに、1時間半。
うん、少し遠回りをすることになった。

断じて云うが、迷ったのではない。
迷子ではないのだ。

きりとおし










しかし、ちょっと道がおかしい。

これ、あれでしょ。
「切り通し」ってやつ。イザ鎌倉。

(嘘です)

わたらい










道の終点。

おお、「もりのいえ」らしい、建物発見。
すでに、数人が集まって、ワークショップらしいものが始まっている。

「遅れちゃって、すいませーん。
 ワークショップ、始まってますかぁ〜」

あれ。
なんか、空気がおかしい。

「えーと、君、誰?」

岐阜の山を守る、林業の研修会の皆さんご一行。
はい、こんにちは。
笑顔の素敵な先生は、まずここまでたどり着いた僕の一途さを褒めて下さり、

「スタートから道、間違ってますね。
 付知峡口を曲がらずに、そのまままっすぐ行くのです」

と、おっしゃいました。
つまり、1時間半戻れと?

まず。

かこもばつ











この看板。罠でした。
信じてたのに。

ちずばつ










そして。
このパソコンの地図が大嘘。
お前もか、ブルータス。


もはや。
観念して、引き返すしかない。

今回、ひとり旅だったのがせめてもの救いである。


ふりだしに戻るのは、精神的に辛い。

回り道ばっかりで、目的地にちっとも着かない。
まるで、僕の人生みたいだ。

・・荒れ道に車もガタピシ云う。



ふと。
何かが目に止まった。

もり










路肩の崖の下に広がる森の中。
あれは・・

いや、回り道してる場合じゃないだろ。
でも。

とりい










なんで、こんなところに、鳥居?
僅かに細い道が鳥居を抜けて、奥へと続く。

好奇心に負けて、車を止める。
だってさ。ほら、トトロが呼んでるじゃん。

みち










山道は古く、吊り橋は朽ちているけど、
迂回路が出来ている。
足下が悪い。

あ、水の音が、聞こえる。

みず










大きな岩の間から、光を反射する水面が見える。

目の覚めるような、エメラルドグリーン。
どこまでも澄んで、宝石のように美しい淵が広がる。

けいこく










こんなに美しい流れを見たのは、初めて。

水をすくって、口に運ぶと、
疲れがすーっと引いていくようです。

さっきの鳥居は川の神様?
そう思った僕の目に入る・・

岩肌に、はしご(↓)。

みち










ぐらぐら不安定なはしごを登ります。

岩の上は、暗い森。
その先に人工物が見えます。

じんじゃ










石に古い書体で「山神」と彫ってある。
直立する金の飾りのついた3本の棒が、たぶん「ご神体」。

柔らかな日差しが、木々の間からこぼれ、
なにか、とても有り難い気持ちに満たされます。

神様は云いました。


 パパ。
 目的地に着くこと、ハッピーエンドだけが人の幸せじゃないのだ。
 その旅の途中に、あなたが見るもの。
 辛かったり、楽しかったり。その思い出があなたの幸せになるんだよ。
 

そう。
回り道でも良いんだ。
目的地に着かなかったとしても、その道程は僕の人生の宝物になる。


 でも、パパよ。
 あんた、今日は約束があるんだから、
 寄り道してないで早く行きなさいよ。


はいはい。
怒られた。

じゃあ、行きますね。

もうこない










憎っくき、迷い看板。
裏は「また、お越し下さい」。

う〜ん。
たぶん、もう来ないゾ、こんにゃろ。

ほんとうのみち










本道に戻って、一路「もりのいえ」に向かう。

本当の道は、こんなに広いのだ。
スイスイ。

めじるし










加子母の道の駅を過ぎて、とんかつ屋の看板が右に見える。
とんかつ喫茶?

ぜっと










そこの右手にある小道。
稲妻のように。Z字に登るのだ。

もりのいえ










「もりのいえ」。

岐阜の山々が夕映えに照らされて、凛として輝く美しい土地。
ここが、maasanさんの選んだフィールドかぁ。


うん、着くべきときは、着くように出来てる。
だから、その道中を思いっきり楽しもうと思うんだ。


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この記事へのコメント

1. Posted by おちゃのじかん   May 16, 2010 08:14
まだ「もりのいえ」にいますか?
図々しいけど、そちらで販売しているりんごジュース「りんごのしずく」飲んでみたいので、買えたら買ってきて欲しいのですが・・・
コメントでこんなお願いしてごめんなさい。
2. Posted by mariposa   May 16, 2010 09:09
papa素敵!(笑)
すばらしい場所に神様に導かれたのですね。
写真からでもその神々しさが伝わってきます。
実際はすごいんだろ〜な〜。
papa最近、鳥居に導かれていますね(^^)
優しいpapaに神様がいっぱいエネルギーを注ぎたいからなんだろう〜な〜。
でも、もしかしてホントは方向音痴???
うちに来る時も確か迷っていたような・・・(笑)
3. Posted by rico   May 16, 2010 10:00
すみません 軽快で面白すぎ!
しかし辿り着けて凄いです
ナイル川(!)が美しくて感動ですが
滝は…
走り去るユニコーンの後姿に見えてなりません
麗しいです♪

4. Posted by 。   May 16, 2010 12:33
「レイダース〜失われた仕事(ワーク)」という
オチかと思って、ハラハラしましたわ。笑
無事、辿り着けてよかったですね。

ところで、
“金の飾りのついた棒”は、
御神体ではなくて、
神様をお迎えする場所に、結界をはってるのではないかしら?
1本なら、ヒモロギなのでしょうけど。

神様というのは、本来、
降りてらっしゃるものですもの。
石や木をよりしろとして、
お迎えするのが、もともとの形です。
その時、お供えする
ピラミッド型に盛られた神饌が、
おむすびの原型だと言う方も
おられますの。
お供えした物を、お下げして、
皆でいただくのが、“直会(なおらい)”。

人は、自分で耕して作った物は、
全部自分の物と思ってしまいがちですけれど、
天地の恵みなしには、
何一つ得られないのですもの、
食物は、すべからく、天からの頂き物、
神様のお余りなのかもしれませんね。

「世の人の見付けぬ花や軒の栗」
(奥の細道より)
5. Posted by Levi   May 16, 2010 13:19
こんにちは

前編を読んでいて「かなり山の中なのね」と到着するのを楽しみにしていたのですが、違ったんですね。
でも、そのおかげで清流や神社に出会えたんですものね。
縁をいただいてラッキーですね。

あ〜、でも今回は「もりのいえさん」に到着で終りなんですね。
続きありますよね。

6. Posted by macrobi papa   May 16, 2010 16:33
おちゃのじかんさん、いつもありがとうございます。
ランチ美味しかったです。

もりのいえに行ったのは、先月の23日でして。
7月にまた行くから、その時買って来ますね。
7. Posted by macrobi papa   May 16, 2010 16:34
mariposaさん、こんにちは。

>papa最近、鳥居に導かれていますね(^^)

最近、自分が鳥居好きなことに気がつきました。
鳥居があると、くぐりたくなる。うん。
8. Posted by macrobi papa   May 16, 2010 16:35
こんにちは、ricoさん。

なんか記事が最近、マクロ関係ないですが。
まあ良いか。
9. Posted by macrobi papa   May 16, 2010 16:45
In west shade chestnut tree in quiet bloom
Along the eave of lonesome house
Unnoticed except an accidental visitor

西軒に沿ってひっそりと陰になっている面に目立たぬ栗の木、咲くわびしげな花、ふらっと訪れた私以外には気づかれずに

英訳。
west tree で 栗なのね。
この作者すごいですねぇ。

>人は、自分で耕して作った物は、
全部自分の物と思ってしまいがちですけれど、
天地の恵みなしには、
何一つ得られないのですもの

最近、畑はじめました。
実践の上に、気づきがある。
それで初めて、自分のものになるかなと思うんです。
10. Posted by macrobi papa   May 16, 2010 16:47
Leviさん、着いてからが本番でしたね。
着いた記事も書きます。

うん、そのうち。
11. Posted by 。   May 16, 2010 20:04
確かに、漢字では、
西の木と書きますね。
栗は、英語では、チェスナットですが。
12. Posted by macrobi papa   May 17, 2010 07:07
英訳俳句で、この侘びしい雰囲気を表現するのが非常に難しいようです。
えと、なんの話でしたっけ。
13. Posted by 。   May 17, 2010 09:14
寄り道したおかげで、
誰も知らない
きれいな花を見付ける
少年の話ですわ。笑
14. Posted by タンボロッジの料理長   May 21, 2010 21:02
>裏は「また、お越し下さい」。

>う〜ん。
>たぶん、もう来ないゾ、こんにゃろ。
わはははは〜〜〜
すっかり2本立てで楽しませていただきました。
私のつまらないダジャレが恥ずかしい・・・・
15. Posted by いちご   June 05, 2010 07:33
うわ〜
papaさん もりのいえに行ってたんだ・・・
今頃知った私・・・何だかショック ^^
知ってたら行っちゃったのに・・ 

それにしても・・・・
どこで間違えたの?って不思議でならない道

加子母はいいとこでしょ?
私 あそこに住んでました。
子供は あそこで育てました。

まとまりのないコメントですみません 

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