February 02, 2010

恩師

僕がまだ料理人を志して間もない頃のはなし。

自分で云うのも何だけど、
もうね、全然「素質」無かったのです。



たまたま入店したお店が「マクロビオティック」のレストラン。

「え?マイクロ..何ですか?(実話)」程度の知識しかなかった、当時の僕。

まかない当番になって、何をつくって良いか分からず、
とりあえず鮭をソテーしてみた。
皿の上には、鮭だけ。ひとり一枚。

「なに?お前、付け合わせとか無いの?」

と、余ってたキャベツをササッと炒めて、あっという間に一品作っちゃったのが、
富川シェフという人。
僕に料理の基本の「き」を教えてくれた尊敬する先輩です。

ええ、その日のまかないは、評判が良かったです。
キャベツが。


先日、ブログに、「ホームページに広告掲載しませんか?」という
コメントがつきました。契約一件につき5000円。
マクロのレシピのDVD。ありがち。
ごめんなさい、正直コメントも良い印象が持てません。

「はい、広告は掲載できません」と即答してみる。
やだもん。

でも一応、DVD拝見しないと失礼かな思って、
サイトに覗きに行きました。
これです(↓)。

『富川シェフのマクロビオティック料理教室』

シェフ、すんませんでした。
宣伝させてください。
お金なんていりません。
云ってくだされば、渋谷の街頭でDVD売り歩きますよ、僕。

僕はご恩を忘れません。


『有能なシェフ』と呼ばれる人たち。

人の上に立つレベルの料理人は、常人の2倍のスピードで働くの。
2倍ってすごいのよ。

富川シェフは、やっぱり2倍速いけど。ちょっと違う。
ゆっくりゆっくり丁寧な仕事をする。
でも、終わってみると2倍速い。

無駄な動きが全然無いのね。
常に最短距離の動き。
ひとつのミスもなく、仕事の流れを組み立てる。

僕は、まだこのDVD見てないけど、シェフの動きを何度でも見られるなら、
僕がこのDVD欲しいくらいです。

『富川シェフのマクロビオティック料理教室』宣伝しときました。任務終了。


「こふく亭のシェフになりました」

こふく亭がオープンするとき、シェフに挨拶のメールを送りました。

「頑張ったな、papa。
 お前、全然素質無かったから、絶対続かないと思ってたけどな(笑)」


憎まれっ子、世にはばかる。
しぶとく、生き残りますよ、僕は(笑)。



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この記事へのコメント

1. Posted by kirara   February 03, 2010 10:25
おすすめのDVD さっそく買ってみました。
ちょっと想像もつかないようなレシピもありそうなので楽しみです。

>憎まれっ子、世にはばかる。
元気なのは いいことです。とりあえずはね。
2. Posted by 。   February 03, 2010 12:29
え〜ん、
携帯からじゃ、見れませんわ。

え?パソコン?
整理しましたよ、しましたとも!

息子が勝手にダウンロードしてきた
ゲームを30個ほど、
闇に葬ってやりましたわ。でも、まだ重いの。

うちのイケ面のパソコンの先生は、
と〜っても、気の長い、
やさしい方ですが、

「要るものまで、消しちゃうといけないから、
慎重にいきましょうね。」
「ですから、慎重に。
クリックする前に、
一度確認しましょうよ。」
「あぁ!」

随分、お疲れのご様子でした。

あのね、私みたいのが3人いるの。
おじじが、僕ならごめんだって、
言いますもの。

先生って、
有り難いですわね。ふふ
3. Posted by macrobi papa   February 03, 2010 17:55
こんばんは、kiraraさん。

チャヤマクロビオティックの一時代を築いた人でしたから、腕は確かで、料理も旨いです。
チャヤは、そういうトップクラスのシェフが多いのです。

そういう環境に偶然入れた僕は、とても幸せだったと思います。
仕事きつかったですけどねー。
4. Posted by macrobi papa   February 03, 2010 17:57
こんばんは、もさん。

この長いコメント、携帯から打っているのですか?
いつも、ありがとうございます。

>あのね、私みたいのが3人いるの。

3人は厳しい(笑)。
先生頑張れ。
5. Posted by みっこ   February 03, 2010 21:28
えええええ

パパさんが「素質」なかったって信じられません。
あんなにおいしい御料理をつくらはる人が。

そういうふうに恩師が、発破をかけはったてことかしら。

恩師はフランス料理のシェフさんだったのですか。なるほど、パパのお料理にもそんな香りがします^^


6. Posted by macrobi papa   February 03, 2010 22:33
>パパさんが「素質」なかったって信じられません。

「素質」無いですよ、僕。
生意気でしたし。
自分が才能があるなんて、一度も感じたことありません。
あらゆる失敗をやりましたもん。

もうね、30分に1回、怒られてた。

>そういうふうに恩師が、発破をかけはったてことかしら

チャヤでは、恩師と呼ぶ人があと2人もいたりします。
先輩方も、非凡な人ばかりでした。
で、みーんな、発破かけるのが好きでしたよ。

和風の料理も、フレンチの仕立てに。
フレンチの料理の中にも、和風の食材や調理法を。
目新しい料理に見えて、食べるとどこか懐かしい。

チャヤの料理を表現すると、そんな感じ。
知らないうちに、自分の中にそれがあるんですね。
それが、じーんと、嬉しいのです。

仕事きつかったですけどね。


チャヤを辞めるとき、
「ここで修行して、お前がまずい料理作ったら、チャヤで修行
 した奴はそんなものかと云われる。旨いものを作れ。
 お前はここで一生懸命やってたのだから、大丈夫」
先輩に、云われました。

しっかり、美味しいものを作ります。
それで恩返しにしたいと思うのです。
7. Posted by かずまま   February 07, 2010 01:29
はじめまして!
いつも楽しく拝見しております。ぱぱさんの文章に惹かれて、思わず購入してしまいました。ごぼうカツが気になってしかたがありません^^
いつかぱぱさんのお店にも行ってみたいです。

8. Posted by macrobi papa   February 08, 2010 08:19
こんにちは、かずままさん。

最近、重めの記事が多かったので、その反動でアホな記事が多くなる傾向にあります。
見放さず、ついてきてくださると嬉しいです。

お店、山奥ですけど、自然いっぱいです。
どうぞ、お近くに立ち寄られた際は、ぜひ。

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