November 08, 2009

「食べる」とエコ

今日、東京大学の学生さん25人が、
『食について考える』という研修で、五風十雨農場に来ました。

収穫の作業や、こふく亭の食事をしてもらって。
そのあと学生たちといろいろ話をする機会がありました。

「食」や「農」について真剣に意見を出し合っているのね。
こういうテーマに熱心に取り組む、若者たちがいることを
とても嬉しく思いました。

今日はね、若い学生さんたちにエールを送る気持ちで。
「食」と「エコロジー」について書きたいと思います。


「食べる」とは、何でしょうか。


私たちは、食べることで生きています。
食べ物のいのちを自分のいのちにつないで、
私たちは生きているのね。

農作業体験もそうだけど、「農的な暮らし」に触れることは、
とても大切なことだと思います。

キャベツの種をまくでしょ。
やがて芽が出て、葉を茂らせ。
大きくキャベツが実る。
そこには、確かに「いのち」があるの。

子供たちは、自分の作った野菜だと、
落として泥のついたトマトでも、大切そうに持って帰る。

「農的な暮らし」に触れることで、
食べ物がいのちだって、実感で分かるようになるのだと思います。


食べ物の中にいのちが見えるとね、
「食べる」ということ、この食べ物を通して、
自分が自然とつながっているのだと、気がつきます。

人間もまた、この自然の一部。

自然を守り、大切にしていくことは、
自分を守り、大切にしていくことと同じです。


じゃあ、どのようにして自然を守っていけば良いのでしょうか?

そのキーワードは、『マイナス成長』と云う言葉に
あるんじゃないかなと、僕は思うの。
今までのやり方で、これ以上「経済」を成長させ続ければ、
私たちは自然を壊しつくしてしまいます。

だから『マイナス方向への成長』が、必要なのね。

利便性や物質的な豊かさを求めるのではなく、
自分で作り出し、工夫し、それを楽しむ生活が昔はありました。

ものが豊かでなくても、心の充実した暮らしは可能です。

今、僕たちが無くてはならないと思っているもの。
たくさんのもの。電気も、お金も。
本当に必要なものは、とても少ないの。

こふく亭のスタイルで、お店をやっていくことは、本当に大変です。
その試みは、世界から見れば、微々たるものかもしれない。

それでも、今、自分の出来ることを着実にやっていきたい。

この美しい自然と未来、こういう生き方や可能性を、
子供たちの世代に伝え、残してあげたいと思うのです。


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この記事へのコメント

1. Posted by YuKi   November 09, 2009 05:24
マクロビパパさん、始めまして。常連(?)でチェックさせて頂いてたのですが、コメントするのは初めてです。

この記事に、すご〜く同感です。
「本当に必要なものは、とても少ない」そして、自然のいのちとのつながり。
私はそれを、旅行先のペルーで、ヨガで、思い起こせば実家の田舎で、学びました。本当にそうだなぁ・・・世の中の人、都会で忙しくしている人にもそれを、解って欲しいなぁ、と思います。でも・・・難しいですよね。「エコ」がブームで終わらないように、体験から、心の底から自然のこと、分かって欲しいです。
いつかこふく亭をたずねられたら、と思います。
2. Posted by fanta   November 09, 2009 07:14
はい、銀河の顔役のfantaです。
(中山康直さんにそう言われた・・。)

パパさんの言うとおりです。

「ふがー!!あれもつくらなきゃ、これもつくらなきゃ、頑張って売らなきゃ、金かせがなきゃ」

というの、やめます・・・・。
できないし・・。
3. Posted by みっこ   November 09, 2009 08:09
パパさんのお子さんは、しあわせだなあ。

これから、生きていくうえで、1番大切な事を伝えてもらっているもんね。

こふく亭、また行きたいです^^
4. Posted by やこ   November 09, 2009 19:36
自然のサイクルの中に自分を組み込んでいない人がエコを考えると、うまくいかないのだろうなぁと思います。
都会に居ながらにして、どうやったら自然のサイクルの中に身を置けるのかと考えるのですが…現状では難しいですね。
私はせいぜい自作ミミズコンポストをするくらいです。
あ、友達のカフェはくじらぐもといいます。
5. Posted by AORINGO   November 09, 2009 21:20
うちの長男は前に比べるとずいぶんと自然に近い生活になりましたが、今だに生野菜嫌いは治りません(笑)
幼稚園で種から育ててたんだけどなぁ〜(泣)トマトを収穫するってうるさいのに、自分では食べようとはしません。パパさんのお子様たちは好き嫌いなくてウラヤマシイっ。
ま、マクロ的に考えると彼は身体に必要でないものを本能的に分かっているんでしょうけどね。肉を食べると生野菜を食べるようになるらしいのですが、生野菜好きな私は相当肉が入ってるのね〜
6. Posted by ダイヤ   November 10, 2009 10:01
パパさんこんにちは!

ディスカッションは「自由に討論・意見し合うこと」でしょうか??
私は今まで仕事柄「食について」考えていると思っていましたが、子供が生まれてから、それは全く違う考えになりました。
「商業的」なものから、「いのち」のものへです。
もちろん商業の方も大切だと思うのですが、本来の、当たり前の、「自然」なことの大切さに気付かせてくれたわが子にとても感謝しています。
気付いたというか、自然でいたい、と体が要求してくる感じなんです。
だからこちらの学生さん達、とてもすごいなぁと。。
多分まだ子持ちじゃないですよね(笑)
私もいつか、少しでもいいから自分で育てた野菜を家族で食べたいと思っています。
7. Posted by macrobi papa   November 10, 2009 23:52
YuKiさん、こんばんは。

僕もね、なーんで薪で料理してるんだろう。
こんなに電気で苦労するのだろうと考えることがありました。

こふく亭が、どんなに二酸化炭素を削っても、焼け石に水に過ぎないんじゃないか?って。

でも、伝えると云う意味で、あえてこの不便さの中で、新しいスタイルを見出したいと思うの。
電気やお金が無くても、実は人間は生きていける。でも、すごく充実した毎日。
そういう形。
8. Posted by macrobi papa   November 10, 2009 23:59
顔役ですか。勝新ですね。

>「ふがー!!あれもつくらなきゃ、これもつくらなきゃ、頑張って売らなきゃ、金かせがなきゃ」

僕もやってますけど、ふがーって(笑)。
9. Posted by macrobi papa   November 11, 2009 00:00
みっこさん、パパ業は、仕事より大変です。

もっと大きなパパにならないと。
(身長じゃないですよ)
10. Posted by macrobi papa   November 11, 2009 00:02
やこさん、僕もまず出来るところから、変えておこうと思いました。
ゴミを少なくしたり、食べ物を無駄なく使ったり。

くじらぐも、あそこのカフェ、大好きです。
11. Posted by macrobi papa   November 11, 2009 00:09
AORINGOさん、子供は、私たちより、ずっと自然に近い存在なのだと思います。
今のままでは、子供たちに残す世界がありません。

食事については、僕もいろいろ悩むことが多いのです。でも、僕は何を食べるかよりも、大切なものがあると思うのです。
僕は、出されたものを感謝の心で食べることを、子供たちに良しとしました。

文中の表現を、少し変えました。
言葉が足りず、申し訳なく思います。
12. Posted by macrobi papa   November 11, 2009 00:20
ダイヤさん、こんばんは。

エコをするのに、どうしてそれが必要なのか。
それを考える機会が少なかったように思いました。
地球のため。2酸化炭素を減らすため?

本当は、自分自身のためだったと思うの。
まず出来ることから、取り組みを考えて行きたいと思います。
13. Posted by もじゃ   November 12, 2009 08:11
パパさん、おはようございます。

食についての考え方は、
結婚してからちょっと変わりました。

義父母は自然への影響を考え、
普通栽培だったお茶を15年ぐらい前から
有機栽培に変更していった人なんです。

いろんな事を学びます。

パパさんのブログからも、
もちろん、いろんな事を教えてもらってます。
ありがたいです。

これからの子供たちにとって、
本当にいい環境を残していきたいですね。

14. Posted by macrobi papa   November 13, 2009 22:28
僕自身、このブログを書くことで、とてもたくさんのことを学んでいるように思います。

有り難いです。
出会うって、本当におもしろいですね。

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