February 11, 2009

吸水の科学

mizu
 玄米の炊飯で、大切な2つの要素のひとつ。
 『水』のコントロール。


 『水』があって、初めてデンプンは
 「アルファー化」出来るんです。
 逆に云うと、水が無いと炊けないの。


「玄米って、芯が残って美味しくないわ!」と云う人のほとんどは吸水不完全。
玄米の芯に水が行き渡ることなく、一気に炊き始めてしまうケース。
米粒の表面が糊になり、芯までもう『水』が入らない。

その状態でいくら『熱』をいれても、デンプンは変化しません。そのまんま。
結果、芯が残るのね。

『水』のコントロールが、大事なんです。

吸水に必要な『水』は、玄米の容量に対して130%。
ここ大切なとこだから図解しとくね。

吸水


















玄米が「ごはん」として完成する前に、
玄米に<130%の水>を送り込む必要があるの。

そのうち水に浸けといて、吸水する限界が『30%』。
そのうち1/3が、米を洗う2分間に一気に吸い込まれるんです。
炊くのにミネラルウォーターを使う人は多いけど、洗米にも良い水を使いたい。

ちなみに『アルカリイオン水』はダメです。
お米のデンプンを壊しちゃうのね。


で、どのくらいの時間、吸水させとくか。
ここが問題。


1)冷蔵庫で24時間と云う人。
2)高めの温度(35℃以上)で高速吸水させる人。
3)無吸水で炊く人。
4)常温で3〜4時間と云う人。

浸ける時間は人によってバラツキがあります。
実際、どのくらいの時間で吸水できるのでしょうか?


【ケース1】冷蔵庫(5℃)で24時間の低温吸水

200gの玄米のサンプルを5℃で吸水させてデータ16回の平均。

低温グラフ














「最初の2分間の洗米」だけで、そのうちの1/3を吸水しています。
その後、「4時間の吸水」で、さらに1/3。
後はゆっくり吸水が進み、完全な吸水が終了するのが24時間後です。
(吸水の度合いは、米の状態でも大きく変化します)

ただ低温(5℃)だと、玄米の発芽酵素が働けない可能性が大きいです。
低温水で発芽・吸水させる場合、10℃以上が良いようです。


【ケース2】35℃での恒温玄米吸水法

【恒温 こうおん】とは、一定の温度が保たれること。
人肌程度の温度を保って、吸水を促進する方法です。
そのために『保温鍋』を使います。

シャトルシェフ

 保温鍋「シャトルシェフ」。

 ステンレス製の内鍋を火にかけ、
 それを【魔法瓶効果】のある
 外鍋に入れることで、その余熱で
 長時間調理ができるという仕組みです。





洗米した玄米をたっぷりの水と一緒に保温鍋に入れて、
【発芽適温に近い32℃前後】まで加熱します。
それをシャトルに移して、<恒温吸水>させます。

吸水率が温度でどれだけ加速できるかを見てみましょう。

吸水グラフ












基本的に温度が10℃上昇すると、化学反応の速度は2倍になります

5℃で「24時間」かかっていた吸水も、
発芽適温32℃なら「4時間」で終わります!
発芽上限40℃なら「3時間」で完全吸水です。

ハイスピードで、玄米の発芽酵素を活動させる方法ではあるんですが、
米粒が崩れやすく、ごはんの食味が落ちます。

美味しい「ごはん」には、スローな時間が必要なのかもしれません。


【ケース3】無吸水で炊く

僕は、米も『乾物』の仲間と、同じように考えています。
ひじきや干し椎茸と同じように、水でしっかり戻して料理します。

無吸水(給水時間なし)でも炊けることは、炊けるんですが、
時間をかけて、水を「米の芯」まで含ませた方が、味が良く、
栄養価も高くなります。

『無吸水炊飯』は、基本的にお店で玄米が足りなくなった時に緊急手段でした。

吸水してから炊飯する方法をおススメしますよん。
今回は、おいしい玄米食べるのが目的ですから。


【ケース4】常温で3〜4時間吸水

室温の『水』に浸けて、3〜4時間。
水温が12℃〜20℃だとして、そのくらいの時間で玄米の吸水率は7割前後。
20〜25%と云うとこでしょうか。

kome
 玄米は『半吸水』と云う状態。

 この玄米を残り100〜110%
 の『水』で炊くのが、
 一番玄米が美味しく炊けます。
 (炊くときの水分調整はまた別の記事)


吸水時間は長くても炊けます。
8時間も浸ければ、もう吸水はほとんど終了です。
前の晩から浸ける方法で、だいたいこのくらいの時間でしょうか。

ただ長く浸けすぎると、少し食味が落ちます。
経験上、『3〜4時間がベスト』だと感じます。

白米とは違い、玄米は長く水に浸けておいても、
米の表面が溶けてしまうことはありません。
たっぷり吸水させることで、玄米の甘みと粘りを引き出します。

どの吸水法が正しいと云うのは無いんですよ。
いろいろ試して、これ美味しいじゃん!というのを探して下さいね。

「美味しいが正しい」ですね。



【関連する記事】
マクロビと玄米 6)発芽玄米 前編
マクロビと玄米 7)発芽玄米ってなんですか
マクロビと玄米 8)発芽玄米 後編

玄米の吸水時間<完全版>


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この記事へのコメント

1. Posted by とら   February 11, 2009 15:37
気合きましたぁ〜。

飲まない方が楽に感じるのに飲みたい、っていう不思議なかんじです。
理性と身体の声は一緒なのに・・・何かが逆らう。

でもパパさんに気合いもらったと思うと、自分の力だけじゃないので出来ちゃうかも。

さいきん12時間くらい室温で吸水させて発芽したプチプチ(?)した玄米にはまってます。
水替えがあるので、家にいる日じゃないとできませんが・・・
「発芽した芽がかわいいよーーっ」
とか言って食べちゃう。
2. Posted by macrobi papa   February 11, 2009 19:59
こんばんは、とらさん。

確かにあのちょこっとが可愛いんですよね。
小さいのに、元気に頑張っているんだなぁと、しみじみ思います。

僕もちょっとお酒減らそ。
3. Posted by chocA   February 13, 2009 00:30
5 はじめまして!
ちょくちょく覗かせていただいてる者です。
マクロビはまだまだ知識不足でパパさんの記事から学ばせていただく事は多いです!
過去の記事とブログをリンクさせて頂きましたので、ご挨拶に来ました。
記事と関係ないコメントですみません。。。
ヨロシクお願いします><
4. Posted by macrobi papa   February 13, 2009 08:21
chocAさん、はじめまして。

最近は、卒業論文みたいな記事が続いて、ちょっと偏っていましたね。
僕もまだまだ、勉強しなければならないことばっかりですよん。

ブログはリンクフリーです。
自由に使って下さいね。

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