October 02, 2008

いろんな芋でチューニョは作れるか?(後編)

我々、奮闘記「科学班」が行った「いろいろな芋でチューニョは作れるか」実験。

本来ジャガイモを、冷凍乾燥させて作る保存食チューニョを、
他の芋で作るとどうなるかという画期的な実験である。

タイトル












この実験は、
類を見ない凄惨な事件を引き起こす残念な結果となった。

人類がまた同じ過ちを繰り返さぬよう、
ここにその実験の記録を、残しておこうと思う。


冷凍睡眠から目覚める芋達。

かちーん








冷凍と解凍を繰り返して、芋達の細胞を破壊して、
水分が抜けやすいようにする行程。

本来は、アンデスのような高地の寒い気候を利用するのだが、
我々は特殊な装置(冷凍庫)で、同じ環境を作り出す事に成功した。


これを手作業で、脱水する作業に入る。

ジャガイモを冷凍乾燥したものは、チューニョとして存在する。
当然、何の支障もなくジャガイモの脱水作業は終了。
このまま、乾かせばチューニョ化するはずである。

サツマイモは、ほとんど水が出ない。

さつまいもさつまいも2







そして、ほとんど変形しない。
さらに絞るが、俺は俺。
絶対、チューニョになんてなるもんかと云う固い意志を見せる。


問題は、里芋。

でろでろ里芋皮







絞ると鼻水のような白い「でろでろ」が出る。
水分は原因不明のゲル化を遂げており、非常に気持ち悪い。
里芋君的に、もうなんかチューニョとかどうでも良いらしい。

でろでろは、排水溝を占拠し、水が溢れる。
水を流そうとするが、でろでろ汚染が広がっていくだけ。
その撤去作業は、困難を極めた。



で、長芋。

長芋







皮が剥けて、でろでろ。
ブルータス、お前もか!

ズルズルが糸を引いて、まるでスライムである。
その撤去作業は、困難を極めた。


脱水した芋を、天日に干す。
チューニョは、乾燥にソーラーエネルギーを利用するのだ。

途中経過途中経過2








ジャガイモは、あっという間にチューニョ化した。
当然と云えば、当然の結果である。

問題は、でろでろ。
里芋は、乳酸発酵を始めたので、ドライヤーで人工乾燥を試みた。
表面だけ乾かして、夏の太陽で一気に焼く。

長芋は・・必死の介護も届かず、レース半ばでリタイア。
死因は、乳酸菌過剰発酵。
焼けば食べられるかと挑戦した、多くのの研究員が命を落とした。
科学班で生き残ったのは、これを書いている私だけだ。


サツマイモは、なんかね。
ほとんど変化しない。
俺は俺。


結果。

3種類












ジャガイモは、チューニョ化。
美しいブラック。
その味に期待したい。

サツマイモはチューニョ化。
なんか白っぽい。
旨いのか、これ?

里芋は、チューニョ化。
予想を反して、ルビーのようなレッド。
その赤色に、なんか毒々しさを感じるのは私だけだろうか・・


いよいよこの未知なる食べ物を、試食しなくてはならない。

揚げる揚げチューニョ







私は,蒸してから、油で揚げる方法をとることにした。
高温調理なら、多少のリスクは回避出来るはずだと考えたのだ。


ジャガイモ、うーん。
食感は非常に面白い。
でも、美味しいけど・・普通に揚げて食った方が美味しいだろう。


サツマイモ。
あんまり使いたくない表現だが、『マズい』。
サツマイモの良いところが、全部どっかに行ってしまった。
もう、風味も何もない。

この味を例えるのは難しいが、
子どもに英才教育を施そうとして、子どもがグレた感じだと表現出来る。


里芋・・。

鼻を近づけると、甘いような酸っぱいような不思議な匂いがただよう。
揚げたことで、その毒々しい色はさらに赤い光沢を放つ。

本能で、ひしひしと身の危険を感じる。
しかし、科学者としてこれをゴミ箱に捨てることは出来ない。
いよいよ、これを食べようと思う。


皆さんがこの記録を読むとき、
私はこの「里芋チューニョ」で命を落としているかもしれない。

では、地球の皆さん、さようなら。
地球の食卓が永久に平和であらんことを祈る。



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この記事へのコメント

1. Posted by yun   October 02, 2008 18:50
おっかしーですね。
読みながら、声出して笑っちゃいました。

これは、真面目な実験だったでしょうけど、
こんな文章だと次々引き込まれて最後まで
読みたくなってしまいますね。
実に素晴らしい記事でした。

次から次へと、興味深いことにチャレンジしている
パパさん。

これからも陰ながら応援しています。
2. Posted by とどめをさすモスラ   October 02, 2008 19:53
サツマイモや、長いもや、サトイモが、
干して美味しいなら、
たぶん、とっくに…(ホホホホホ)

何にせよ、
ご無事の生還、お喜び申し上げます。
3. Posted by fanta   October 02, 2008 20:07
わっはっは
こういうの大好きです!!!!
4. Posted by レヴィ   October 02, 2008 21:13
おお〜、チューニョの結果発表ですね。
里芋と長芋はムチンが邪魔しちゃいましたね。
やはりチューニョはジャガイモですね。
面白かったです。

5. Posted by かなりあ   October 03, 2008 00:25
肩が…笑いで…震える〜(笑)

papaさん、ナ〜イス!(爆)

じゃがいものチューニョですが、我が蝦夷地では、
これからの季節、自然の恵みで、出来そうですね。

チューニョ作りのバイトでもしようかな?(笑)
6. Posted by macrobi papa   October 03, 2008 15:44
yunさん、こんにちは。

里芋で、かなり危ない橋を渡りました。
あんまり酷い味だったので、子ども達には食べさせませんでした。
トラウマになりますから。
7. Posted by macrobi papa   October 03, 2008 15:46
モスラさん、正解です。

未だかつてないということは、よっぽど画期的か、
よっぽど美味しくなかったか。

きっと、昔の勇気あるアンデス人が、他の芋でチューニョ作ったんでしょう。
で、息を引き取る前に、「やめとけ」と、
云い残したに、違いありません(笑)。
8. Posted by macrobi papa   October 03, 2008 15:47
fantaさん、こんばんは。

ゆるしやジョニーの影響で、こういうの書いてみたくなりました。
良かった・・・ウケて。
9. Posted by macrobi papa   October 03, 2008 15:50
レヴィさん、こんにちは。
スタミナが付くとか云われる「ムチン」ですが、
発酵すると人体に毒です。

明らかに、あれはヤバいですね。

また、面白い実験を考えます。
次は何をチューニョ化しようか・・
10. Posted by macrobi papa   October 03, 2008 15:55
かなりあさん、こんにちは。

実はチューニョは昼は暖かくないとダメなのです。寒暖の差がチューニョを作るのですね。
そして、乾燥してなければなりません。
蝦夷地だと、春までジャガイモアイスのままかもしれません。

でも、チューニョは陽化するから、北海道で食べるのには良いのかも。
11. Posted by タンボロッジの料理長   October 03, 2008 17:51
わっはっは〜〜!
ついに笑いと興奮の結果発表、楽しく読ませていただきました。
しかし、里芋と長芋、すさまじいですね。
まねしなくてよかった。
パパさん、貴重な実験、ありがとうございます。

ところでアンデスでは、じゃが芋のほか、「リサス」(別名、オユコ)とか「オカ」という芋を、凍結乾燥させています。
でも、二つとも「粘り」はありませんから、粘り系じゃない方がいいかも・・・。
「リサス」なんかは、なんとなく人参に似ているから、今度は「芋」ではなく、「根菜」でも出来るかもしれませんね。
でも、チューニョの究極の目的は、「毒抜き」にあるのだから、ほかの根菜でやっても、あんまり意味がないかもしれませんけれど・・・
12. Posted by macrobi papa   October 03, 2008 18:19
こんばんは、料理長様。
今、「第2次タンボロッジ行こう計画」を練っています。冬は車だと厳しいでしょうか。

現地のお話、参考になりました。

>今度は「芋」ではなく、「根菜」でも出来るかも

一瞬ですが、大根やゴボウ、人参が並んでる姿が目に浮かびました(笑)。
いやいや、そんなに危ない橋、渡らなくても。
13. Posted by 忠告するモスラ   October 03, 2008 19:20
天の声が、聞こえました。
「やめとけ」と… 笑

蒟蒻の乾燥したのって、チーニョと同じ作り方?
あれ、けっこう美味しいんだけど。

14. Posted by macrobi papa   October 04, 2008 07:55
神様、ありがとうございます。

こんにゃくの乾燥ってあるんですか。
おー、食べてみたい。
15. Posted by ブラックモスラの囁き   October 04, 2008 11:28
再び、天の声が聞こえました…
「試すがよい」

蒟蒻は、スライスしてから、凍らせることを、
おすすめします。
16. Posted by タンボロッジの料理長   October 04, 2008 14:41
パパさん、「第2次タンボロッジ行こう計画」をありがとうございます。
冬は、雪道になれていないとあまりお勧めできませんが、「電車・バス」という手もありますので、ご検討くださいね。
ところで、ごぼう・・・
出来るかな〜〜??
水分が少ない感じですからねえ。
しかし、こんにゃくは、解凍した後、塩水で茹で切ってから油で揚げて、燻製すると、まるで「ベーコン」のようになります。
おいしいですよ。
17. Posted by こじつけるモスラ   October 04, 2008 17:09
バスだっ!!
18. Posted by macrobi papa   October 04, 2008 20:31
ブラックモスラは、悪いモスラなんでしょうか(笑)。

>蒟蒻は、スライスしてから、凍らせることを、
おすすめします。

注文ですか?
19. Posted by macrobi papa   October 04, 2008 20:34
もうそろそろ雪が降りますね。
次にタンボロッジに伺う時は、ゆっくり連泊するつもりです。
ヤマグリ残しといて下さいね♪
20. Posted by macrobi papa   October 04, 2008 20:35
モスラさん、バスでましたね(笑)。
21. Posted by kiharu   October 05, 2008 01:17
はじめまして。
ずっと以前から楽しく読ませていただいてます。
初コメントがこの記事というのも何ですが...あんまり面白かったので。
サツマイモの「俺は俺」..ププっ。
無事生還されたようでよかったです(笑)
パパさんの好奇心一杯でチャレンジャーなところ、素敵です。
チューニョ、一度食べてみたいです。

22. Posted by macrobi papa   October 05, 2008 09:05
kiharuさん、はじめまして。

サツマイモは、何でしょうね。
水分と一緒に、美味しいところが全部でちゃうんでしょう。木の根っこをかじっているような気分です。

で、噛めば噛むほど、美味しくなくなる。

でも、里芋はそれ以上なんですよ。

チューニョは、輸入しようと云う動きもあるようです。
でも、マーケットがないからなぁ。
23. Posted by あや   October 05, 2008 16:35
はじめまして。
ちょうど、チューニョについての本を読んだところでこちらを発見し爆笑させていただきました。
里芋の味の乾燥もぜひ聞きたいところですww
しかし、見事なルビー色にはびっくりですww
24. Posted by macrobi papa   October 05, 2008 22:01
あやさん、はじめまして。

とんでもないところに、たどり着きましたね(笑)。
ジパング探していて、アメリカに着いたみたいな。

自然の中で、赤い野菜は少ないです。
美味しかったら、貴重な食材だったんですが。
ははは。

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