September 09, 2008

ぬかづけ 5)ぬかづけと温度

【美味しいぬか漬けを作る基本】は、

『ぬか床の微生物たちのバランスを
 適正に整え、それを維持すること』


・・にあります。

で、微生物のバランスをコントロールするのに、大切になるのが【温度】です。

今日は、「ぬかづけと温度」の話。


 ■ぬか床と温度■

ぬか床は、数えきれないくらい
たくさんの微生物たちが住む、大きな街です。

けっこう大都会。
(どんな住人がいるのかは、こっちで見てね↓)

【ぬかづけの科学 キャラクター紹介】

この中でも一番のキーパーソンになるのが「乳酸菌」

自己紹介


 ← 乳酸菌。




乳酸菌たっぷりの【ヤクルト】みたいな老練のぬか床は、
ちょっとやそっとの事では、ビクともしません。

かと云って、乳酸菌が多ければ良いと云う訳でもなく、
味が、酸っぱくなりすぎちゃう。
少ないと、すぐ雑菌に負けちゃう。

適度なバランスがあるんです。

で、そのバランスをコントロールしてやるためには、
『ぬか床を、乳酸菌が優位になる温度環境にしてあげる』必要があるんですね。

ぬか床に住む、乳酸菌の至適温度は、やや低く15℃〜19℃くらいだそうで、
発酵を進めるベストの温度は【20℃】です。

これが【25℃】を超えると、発酵が行き過ぎやすく、
【30℃】を超えると、雑菌が繁殖しやすい温度帯に入ります。
もう真夏の35℃越えとか、ホントNG。

逆に寒い時期、【10℃】切っちゃうと、
乳酸菌の活動はどんどん弱まっていって、やがて『冬眠モード』に入ります。

冷蔵庫で育てるぬか床は、発酵スピードがすごくゆっくりだから、
手入れが楽で、失敗が少ないけど、
「発酵食品」として、ぬかづけを作り出していくための方法として、
僕はどうかなと思うんです。

ちょっと塩辛くなるしね。


 ■春のぬか床■
春

元々ぬかづけは、「春から秋にかけての即席漬け」でした。
昔の人は、桜の咲く頃にぬか床を出して、漬け始め、
秋、木の葉の色づく頃にぬか床をしまい、
きつめに塩をして、寒い冬を越させていたそうです。

春と秋の【18℃〜23℃】の温度帯は、
ぬか床の熟成にはとても適しています。

桜は、【16.7℃】で開花を始めます。
桜が花開き始めるのを目安に、ぬかづけを始めるのは、
理にかなっているようです。

春は、新しいぬか床を始めるベストシーズンでもあります。
この時期、出廻る新キャベツは、ジュースたっぷりで、
捨て漬けするには、最高の素材です。

25℃を超えることも少なく、比較的安定して、ぬか床を育てられます。


 ■秋から冬にかけてのぬか床■
秋冬

秋の紅葉は、最低気温が【7℃】を切ると、始まります。
そろそろ、ぬかづけのシーズンも終わりです。
上から塩をキツくして、温度の低いところに寝かせるそうです。

今は、冬でも家の中は暖かいから、
そのまま使い続けるのも、良いかも知れません。

ぬかづけ名人の中には
『冬の間、寝かせる事で、年々、円熟した力強いぬか床になる』
云う人もいらっしゃいました。


 ■夏のぬか床■
夏

さて、問題は『夏』です。

伝統的な 【茅葺き屋根】の昔の建物は、夏でも屋内はひんやりと涼しい。
屋根が気化熱で、屋内の気温を下げるため、【天然のクーラー】のような効果があると聞きました。

それでも、夏の暑さが厳しいときは、ぬか床を休ませていたとか。

その点、近代建築物のマンションとか、どうにも暑い。
構造上、熱がこもりやすく、西日とか差しちゃうと、サウナみたいになる。
30℃なんて、ポーンと飛び超えちゃうから、
ぬか床もキツいのね。

1日3回混ぜても、酸っぱくなるし、
現代人に1日3回は無理。


これには、3つの対策があるようです。


1)冷蔵庫入れっぱなし

ひたすら冷やして、暑い夏をやり過ごす戦法。
安全なんだけど。
ただ本当に美味しいぬか床には、ならないような気がする。


2)発泡スチロールに詰めて、保冷剤を敷き詰める

保冷剤を使って、ぬか床専用のスイートルームをつくり出す戦法。
スペースをとるのと、保冷剤を敷き詰める手間が難点。
温度管理には一番理想的かな。


3)昼は冷蔵庫、夜は外

冷蔵庫に入れたり出したり、戦法。
昼の暑い時は、冷蔵庫でやり過ごし、
涼しくなる夜に、外に出し、乳酸発酵を進める。

陶製のぬか床入れは、ゆっくり冷えて、ゆっくり暖まるから、
良い感じの温度帯をつくり出せます。

夜のうち、ぬか漬けも漬けて、朝出す。
夜と朝の2回混ぜ
僕はこの方法を採用しました。

このところ暑い日が続きますが、僕のぬか床は
最近とても良い感じに育ってますよ。

今日は「ぬかづけと温度」の話でした。


関連する記事  
ぬかづけの科学 1)ぬか床の仲間達

vegetus at 16:28│Comments(19)TrackBack(0)clip!ぬかづけ 

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この記事へのコメント

1. Posted by ちえこ   September 09, 2008 20:49
わーい、温度のお話ですね♪
春から漬けるもんなんですね。8月の末から漬けてしまいました・・・。しかも、最初やから発酵させるためにこの暑い中でも、台所に出しっぱなしやったし><
捨て漬けには、ジュースたっぷりの新キャベツがいいんですか?人参とかごぼうしか漬けてないから、しょっぱかったのかな?とりあえず、少しでも水分の多いきゅうりに変えてみます!

2. Posted by 熟成反省中   September 09, 2008 21:04
ふられると、ついのってしまう悪い癖が・・・
カフェで出すの?おむすびと、ぬかづけと、お番茶の“ふたばモーニングN”
3. Posted by macrobi papa   September 09, 2008 21:58
捨て漬けは、野菜の水分をぎゅっとぬかづけに移してやるのが目的です。キャベツでも、セロリでも良いです。

僕も今日、うっかりぬかづけしまうの忘れて、酸っぱくなりました。足しぬかして直す予定です。

ちえこさん、関西の人だったんですね。
温度の話、気に入って下されば嬉しいです。

4. Posted by macrobi papa   September 09, 2008 22:04
そのノリは、モスラさんのチャームポイントだと思いますよ(笑)。

ぬかづけ、カフェで出そうと思っていましたが、ちょっとうっかり酸っぱくしてしまいました。
これ直すのちょっと大変です。
週末から出かける予定なので。

もってくか、ぬか床。


ところで・・モーニングNって何ですか。
検索したら、モーニング娘が出てきました。

そういえば、名古屋の喫茶店では、モーニング頼むと、コーヒーに焼売が付いてくるらしいです。
5. Posted by レヴィ   September 09, 2008 22:10
ぬか漬けって昔から家の中で作られていたので環境としての気温が見過ごされがちだったんですよね。
今は猛暑だからぬか床も気をつけてあげなきゃいけないんですよね。
季節ごとの解説、分かりやすくて良いですね。


うちのぬか床元気で美味しいお漬物を作ってくれています。
今日はレンコンを漬けました。
それなりに美味しかったんですが、ゴボウの方が美味しかったです。
6. Posted by モスラ再び?   September 10, 2008 07:39
Nは、乳酸菌のN
7. Posted by macrobi papa   September 10, 2008 15:36
こんにちは、レヴィさん。

住環境の変化は、ぬかづけが絶滅危惧種になってしまった原因のひとつです。
何かしらの工夫が必要だったんですね。

ゴボウ、今日漬けようと思います。
8. Posted by macrobi papa   September 10, 2008 15:36
あ、なるほど。乳酸菌かぁ。
9. Posted by paru   September 11, 2008 16:59
ぬか床は冷蔵庫に主に入れてます。
実家の大阪は暑いので菌だけでないものまで繁殖し・・・トラウマになってます(笑)
関東でも留守して閉め切ってると40度近くなりますもんね。
昔のような土間があったり,日陰の多い家だといいのでしょうね。
ちなみに夫(青森出身)はぬか漬けはあまり食べません。食べる習慣もなかったようです。
寒すぎるところではあまり作らないのか,でもたくあんは作るのですけどね。
10. Posted by macrobi papa   September 12, 2008 15:53
こんにちは、paruさん。

たくあんは、干し大根の出回る冬場から仕込みます。
夏にぬか漬けを食べて、冬にたくわんを食べていた昔の人は、白米でも脚気を防げたかも知れませんね。

漬け物って、ホント地域に根ざしたものが多いですね。
興味深いです。
11. Posted by ちえこ   September 25, 2008 23:27
パパさん、SOSです。
一日中、外に出しているのですが、
昨日からうっすらシンナー臭がしてましたが、混ぜたらにおわなくなったので、冬瓜(湯でたんと生のん)を漬けました。
今日、帰ってきて、蓋をあけると強烈なシンナー臭が>_<
ギュってにぎったら、指の間から汁が少し出ます。

ふたばカフェオープンして、お忙しい時なのにすみません。。。
もしお手すきな時がありましたら、教えてください。
よろしくお願い致します。
12. Posted by macrobi papa   September 26, 2008 06:58
すいません、シンナーの匂いの対応策をまだやった事が無いのですが、ぬか床の水分が過剰になると、混ぜても酸素が行き渡りません。
とりあえず水抜きをされるのが、優先かと思います。
あとは、足しぬか。
新しいぬかに、重量比7%の塩を加えたものを足します。
それで捨て漬けをして、様子を見て下さい。

で、どうなるか教えてもらえると、参考になります(笑)。
13. Posted by ちえこ   September 26, 2008 21:19
水抜きなんですね!?
いろいろネットで見ていたら、「作り直し」がほとんどで、たまに「塩を入れる」って書いてたので、泣きそうになってたんです。
今から、水抜きしてきます。ありがとうございます!!
またご報告いたします☆
14. Posted by macrobi papa   September 27, 2008 17:37
シンナーの匂いは、産膜酵母に由来するものですので、まだ希望があります。
雑巾の匂いがしたらヤバいです。

頑張って下さい。
15. Posted by 自然食品店モスラの娘   September 28, 2008 11:35
ぬかって…
精米しないと、存在しないものよねぇ?
玄米と、糠漬け…うーん。
どう思います?
16. Posted by 補足するモスラ   September 28, 2008 12:03
追伸…
ウィキペディアに、歴史その他詳しい説明は載ってるんだけど、味覚については、さすがにね…
私、玄米には、古漬けの沢庵が一番合うと思ってるの。浅漬けは、いっしょに食べると、どうも違和感があって。
鉄火味噌や、醤油味だけのキンピラも、玄米といっしょだと、ものすごく美味しいのに、白米や胚芽米とだと、いまいちなのよね。
これって、私だけ?
17. Posted by macrobi papa   September 28, 2008 20:41
玄米とぬかづけですね。
モスラさんの補足にもう答えが出ているようですよ。

頭で理論的に考える事より、
美味しいのが正しいのだと、僕は思います。
18. Posted by ちえこ   September 28, 2008 21:52
水抜きの容器を入れましたが、全く水がたまりません。。。
野田琺瑯の蓋を開けて、布をかぶせた状態にしていたら、少しにおいがマシになってきました!
この前の暑さやったら、一日に3〜4回混ぜなあかんらしいですね。もう無理ちゃう?とも言われたので、あと一週間様子を見て、まだにおいがしたらあきらめます>_<毎日、「がんばれ〜」って声かけて、
容器をなぜてるんです。届けーーー!!!
19. Posted by macrobi papa   September 29, 2008 16:14
水抜きは時間がかかるので、足しぬかと捨て漬けの方が有効かと思うんです。

乳酸菌を安定させる時は、かき混ぜるのは1日1回でも良いかと思います。
ぬか床が不安定なとき、かき混ぜすぎる事は逆効果です。
むしろ温度管理の方が大切になります。

白いカビ出てませんか?

多めに足しぬかをして、3日ほど放置すると白いカビの膜ができるそうです。
それをぬか床の中に混ぜ込んでやると、ぬか床が熟成するという達人の裏技を
読んだ事があります。
ダメ元で試してみるというのはいかがでしょう?

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