March 03, 2008

かんころもち

【かんころもち】を知っていますか?

干し芋と餅米で作るお餅のこと。
ポケモン的に云うと、「干し芋」の進化系が『かんころもち』。
野球で云うと、直球が「干し芋」。
消える魔球が『かんころもち』である。

え、例えが分かりづらい?


 ■カンコロ■

昔むかし、たくさんさつまいもが摂れ過ぎて、それを薄切りにして干したものを『かんころ』と呼んでいました。

貧しい農村では、餅米は貴重なものだったから、
お餅を搗くのに、この「かんころ」を混ぜて作ったものが【かんころもち】

九州も長崎の方の名産品で、また旨いんだ、コレ。
今は作る人も減ってきたみたいだけど。

と、云うわけで今日は【かんころもち】作ります。
先に「完成した姿」をご覧にいれましょう。

完成図







どーん。なまこか?

これ見て、食欲がそそられる人がいるのだろうか。
いや、でも、ホント美味しいですから。


 ■かんころもち作り■

材料
この日のために増産した「干し芋」たち。
よくぞ生き残った、我が450g。

関連する記事
【干し芋泥棒】


皮は剥きました。

皮







剥いた皮は、末っ子(珍獣)のおやつになります。


  【材料】

 干し芋  450g
 餅米   1カップ(180g)
 甜菜糖  大さじ2(好みで)


まず餅米を24時間浸水。
洗って、タッパーに水と餅米と入れて、冷蔵庫保存ね。
今回蒸して作るから、しっかりと吸水させた方が良いみたい。

餅米さつまいも







蒸篭に蒸し網をセットして、餅米を広げ、
蒸気のあがった蒸し器で、中強火40分蒸す。
「さらし」が見つからなくて、そのまま蒸しちゃったけど
さらしがあった方が蒸し上がりが良いです。

途中3回ほど手水を振る。

餅米が柔らかくなってきたら、干し芋も一緒に蒸します。

蒸し上がりつく







蒸し上がり(左画像)。
ボウルに移して、すりこぎで搗きます。
甘くする人は、ここでお砂糖を入れてくださいね。
米飴でも美味しいです。

ぺーたん、ぺーたん、搗くのは地道な作業。
餅つき器とかお持ちの方は、すごく楽だと思う。

つく200回搗くこと200回。
まだまだ足りません。







搗くだけでは無く、すりつぶすように捏ねる。
つく、つく、こねる。つく、こねる。

途中、疲れて子供にやらせる。


つく500回搗くこと500回。
搗くべし、搗くべし。

やっと出来ました。
かなりの重労働ですよ。







すり鉢から取り出して、テーブルの上で「なまこ形」に丸める。
廻りには、薄く片栗粉をまぶした。サラサラの手触り。

切り分けるとこんな感じ。

切る







白と黄色の暖かみのあるコントラスト。
これを焼きます。

フライパンに、油を引かないで。
陶板とかあれば、もっと良い。
僕は多層構造の無水鍋のフライパンに、オーブンペーパーを引いて焼くの。

ほら、みんな焼きたての熱々を食べますよ。

焼く








砂糖無しで作っても、こんなにも甘い。
そしてこの香ばしさ。

貧しい農村、わずかばかりの餅米でつくった【かんころもち】。
生活は苦しかったけれど、彼らはとても幸せだったのだと思うんです。



vegetus at 06:07│Comments(16)TrackBack(0)clip!れしぴ 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by タンボロッジの料理長   March 03, 2008 15:30
macrobi papaさん、はじめまして。
つたないわたくしのブログに書き込んでくださって、ありがとうございました。
どうぞよろしくお願いいたします。

ところで、このお餅、よく食べるんです。
と言うのは、私の妻の実家が宮崎なので、親が作って送ってくれるんです。
とてもおいしいので、こちらから要求したりしちゃっています。
でも、こんなに大変なんですね、作るのは。
知りませんでした。
これからはもっと感謝していただくことにします。
2. Posted by Becky   March 03, 2008 18:36
こんばんは
先日ご紹介の干し芋、早速作ってみました。
干してるそばから怪しい手が伸びてきて、「どこかのお宅と一緒」と思わず苦笑。
(大人の手も混じってたような‥
かんころもちもおいしそうですね!
でも、かなりの重労働というとこで、ちょっと引いてます。
うちの干し芋泥棒さん達をその気にさせて協力してもらうことにいたします(^^

3. Posted by jgirl   March 03, 2008 20:42
papaさん、お久しぶりです。
きゃ〜、かんころ〜♪私のふるさとの味です。
ストーブの上で焼いて食べるのが、冬場のお楽しみでした。
生まれたところを遠く離れて幾歳月‥‥あの味が懐かしくなると、
干いもをあぶって食べたりもするのですけど、味は似てるけど、
やわらかなあの食感とは比べようもなく‥‥。
今夜は、冷凍しておいた年末の到来物を焼いて食べま〜す。

だけど、まさかpapaさんがかんころの作り方をご存知だなんて
びっくり。でもうれしいです。
お写真を拝見すると、papaさんのかんころは色合いがキレイですね。
うちのは、もっとくすんだ緑色をしています。
町のコといなかのコの違いみたい(笑)
4. Posted by izumimirun   March 04, 2008 06:41
お久しぶりですー!
わー、こんなものまで作られるんですね。
大尊敬! どう考えてもおいしいですよね。
いつか時間のある時にチャレンジしてみたいです^^。
5. Posted by macrobi papa   March 04, 2008 08:24
いらっしゃいませ、ようこそ料理長さん。
マクロビオティックで、アンデスの料理。いつか食べにいきたいと思っています。

先日のシフォンケーキも画期的なアイデアでした。
あれを見てから、キッチンエイドを買おうかどうか迷っています。
6. Posted by macrobi papa   March 04, 2008 08:27
Beckyさん、こんにちは。

干し芋泥棒の攻撃をかいくぐってきた貴重な450gでした。
風雲たけし城なみの生き残り率です。
(若い人は知らない番組ですね)

7. Posted by macrobi papa   March 04, 2008 08:30
こんにちは、jgirlさん。

僕の嫁さんの姉さんの旦那さんが、長崎の出身で、よくお土産に頂いていました。
何て美味しいものがあるのだろうかと思ったものです。

僕のは干し芋が若いうちに、カンコロにします。
熟成して色あせた干し芋だと、また違った味わいかもしれませんね。

それにしてもこの香ばしさはたまりません。
8. Posted by macrobi papa   March 04, 2008 08:42
>わー、こんなものまで作られるんですね。

やっぱりそう思いますか、izumimirunさん。

『VEGAN KITCHIN』の なもたんさんが、かんころもちを作ってきたのを見た僕も、同じことを思いました。
世の中、すごい人もいるもんです。

で、僕でも出来るかなぁ?とやってみたのが、今回のかんころもち。
あとね、味醂作りと生八つ橋に挑戦する予定。

あ、忙しい中、コメント嬉しいです。
9. Posted by たけ   March 04, 2008 20:16
5 「かんころもち」名前も、スロウな感じで、温かいひびきで、いいですね。
一度だけ何かの機会に食べたことがあります。

papaさんの料理の記事もいつも、わかりやすく書かれていて、読む人への思いやりが感じられる点も好きです。
10. Posted by macrobi papa   March 04, 2008 20:38
たけさん、嬉しいです。

次は水餃子作ります。
北京的水餃子LV6。自信作です。
11. Posted by こなっぽいなもたん。   March 04, 2008 21:32
>無水鍋のフライパンに、オーブンペーパーを引いて焼く

あぁ、そうすればいいのか。。とツメの甘い私でございます。
かんころ餅、作るのはちょっと大変だけど
作りがいはありますよね。
でも、私はパパさんのが食べたいです!


勧誘〜♪
勧誘〜♪
ってか決定〜♪
ってかパパさんはおから部顧問でしょー。
パパさんがいればNPO法人にできるかも。
(妄想族)

おからを使って小麦粉も膨らし粉も使わない洋菓子を考えてるんですが、イマイチ妄想できないんですよねー。
いい妄想ありませんか?
12. Posted by yu&io&asu mama   March 05, 2008 00:55
papaさん、こんばんは。私の実家は長崎です。
かんころもち。もちろん、フツーにおやつでした。でもpapaさんが「美味しい」と言ってくださると、なんだか故郷が全国区になった気分で嬉しいです。

その私の遺伝子が入っているのか、息子達も干し芋、かんころ、素焼きおかきetc.素朴系のおやつ大好き!です(あ、パパも素朴系好きだからスクラム組んだ遺伝子ですね:笑)。で、兄弟は2人で十分バトルロワイヤル。なんでも兄と同じ&同量がいい次男くん。最近「そうだ、君は小さいから少なくていいんだよ」とやっと気づいた母でした…

ところで、お友達に五島出身の方がいるんですが、本場では各家庭の味があり、餅屋さんに原料持ち込んで作っていただくそうです。で、このお友達の家庭の味は「しょうが」入りです。これが、本当に美味しい!!!私が食べた中で、最高ランク、絶品でした。お試しください。
13. Posted by macrobi papa   March 05, 2008 08:49
なもたんさん、やっと「かんころ」が完成しました。
もうちょっと簡単に作るレシピを研究してみます。

おから部、頑張って活動しますね。
NPOも視野に入れて?良いかも。

乾燥おから、結構膨らみます。
あれを使えば、ベーキングパウダーや小麦粉を使わなくても膨らむかもしれません。
僕のガトーショコラは、乾燥おからを使うんですよ。
豆腐クリームと合わせれば、ほぼ大豆100%の洋菓子になりますね。

乾燥おから、食感がざらざらするのが難点ですが。
14. Posted by macrobi papa   March 05, 2008 08:53
yu&io&asu mamaさん、こんにちは。

しょうが!
さつまいもに、生姜。絶対合います。
生姜汁にして、アクセントに効かせるのが、良いかな。
次のカンコロは、「カンコロジンジャー」でいきますね。

それにしても兄弟が多いと、どうしてこう争うんでしょうね(笑)。
15. Posted by eddicafe   March 06, 2008 09:56
先日はコメントいただいて、ありがとうございます!

知ってます、知ってます!かんころ餅、懐かしいです。涙でそうです。今は施設に入居している、主人の母がいつも年末に九州から手作りの かんころ
を送ってくれていました。紫芋で作ったのもありました。お義母さんの味です。

今度は私が作って持っていってあげたいです。
パパさんのレシピで!
ありがとう!
16. Posted by macrobi papa   March 06, 2008 22:22
eddicafeさん、いらっしゃい♪

紫芋で干し芋を作る。
すごくきれいなカンコロが出来そうですね。
うーん、その発想は無かったなぁ。

ブログで素敵なカフェの様子、拝見しました。
自分もそういうお店を作っていきたいと思うんです。
また、伺いますね。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔