November 06, 2007

中庸の調理術【ゆがく】

ゆがく









小松菜です。

お湯の中で泳がせるようにゆがいていると、その緑が鮮やかに輝いて、美しく透き通る瞬間があります。
それを「命の移し替えの瞬間」と呼びます。

今日は、調理法【ゆがく】のはなし。


先日「風楽」で開かれた、佐藤初女さんの講演会に行ってきました。

初女さんが話されたことで、特に印象に残っているのが
【ゆがく】という調理法について。

野菜を【ゆがく】ことは、ただ【ゆでる】こととは違います。
湯の温度を下げないように、2〜3株ずつ、少しずつお湯の中に入れます。
湯の温度が下がると、色が悪くなるし、野菜の味を引き出せません。

青菜を湯の中でゆっくりと泳がせるように火を入れていると、
緑が鮮やかに輝いて、すーっと透き通る瞬間があります。

初女さんはそれを「いのちの移し替えの瞬間」と呼びます。
青菜の中のいのちが、私たちのいのちとひとつになるために形を変える瞬間。

その瞬間を逃さないように、お湯から素早く引き上げます。
この状態の青菜は、味のしみ込みが良いし、野菜の持ち味も引き出されている。
茹ですぎれば、この青菜の美しさは出ません。


【茹でる】と【ゆがく】の違いは、
野菜たちを「もの」と見るか、「いのち」と見るかの違いなのかもしれません。

「もの」として扱うと、ただ茹でれば良い、焼けば良いの料理しか作れません。
ただ「いのち」として扱うと、このいのちを生かすには、
どう料理すれば良いのかを考えるようになります。

他を大切にすることは、自分を大切にすることと同じなんですね。

だって青菜を大切に料理にして、そのいのちを生かしてあげる。
その青菜は、食べた僕の血と肉になって、一生僕のいのちと一緒に暮らすわけです。
だから自分を生かすことと一緒。


初音さんの結ぶおむすびは、食べた人の生き方を変える。
そんなたくさんのエピソードを聞いたことがあります。
そのおむすびにどんな魔法がかけてあるんだろう・
って思うでしょう。

おむすびは普通の味だったし、初女さんも普通のおばあちゃん。
でも初女さんは、日々の食事をとても大切にしていました。
「いのち」を優しく大切に料理する人。
その気持ちが食べる人の魂にも響くのかもしれません。

僕も、大切に料理してみます。
少しだけ、青菜ゆがくの上手になりました。


初女さん
この人が初女さん。









おむすびを結びはじめると、お店の小さな明かり窓から光がすーっと差し込んできて、初女さんの白い割烹着が薄暗い部屋の中で、キラキラ光るの。

やっぱり初女さんは、すごい人かもしれない。

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 9月28日 それぞれの。。。  [ 1chanの『日めくり』 ]   November 07, 2007 10:23
macrobi papaさんの記事を読んで 祖母を思い出しました 小学生の頃 祖母の使う言葉を 学校で使うと 友人に『変な言葉』と言われました その頃は 単に方言と思っていたけれど それだけでは ・・・無かったようです 祖母の台所仕事は 大胆で大雑把なところもあたけれど...

この記事へのコメント

1. Posted by jgirl   November 06, 2007 09:50
こんにちは、パパさん。ご無沙汰してます。
私も、先月東京で行われた初女さんの講演会に行って、たくさんのいいお言葉をいただいて来ました。
中でも「いのちの移し替えの瞬間」は、一番心に残った言葉でした。料理するということの、基本の心持ちですよね。
講演後1時間以上待って、握手していただきました。もう少しお料理上手になれますように。。。
2. Posted by しろうさ   November 06, 2007 15:48
初女さんの旧姓は「神」。
神初女という名は「イブ」につながるという感じがします。
キリスト教、ということじゃなくて、大切なことを伝える役割を担った人なのでしょう。
そんな方に直接触れられるご縁があった、というのはすばらしいことですね。
3. Posted by つづこ   November 06, 2007 16:37
こんにちは。
「いのちの移し替えの瞬間」、ステキな言葉ですね。私も大切にお料理が出来る人間になりたいですが、いつも忙しさや気分・感情にかまけて、結果的に「自分を生かすこと」が出来ていないなと感じます。
いのちを優しく大切に料理出来るおばあちゃんに、将来なりたいですね。

所で話は全く変わるのですが、クリーンファイブに入隊したいのですが、まだ可能でしょうか(笑)。rupaさんがブログで活動報告されてて、今の自分の家の状況が自分の心のようだと改めて感じ、掃除で改善したいと思って…ちなみに色(柄)は市松模様でお願いしたいと思います!!
4. Posted by かなりあ   November 06, 2007 17:33
パパさん、こんにちは♪

「茹でる」と「ゆがく」の違いを、初めて考えました。
これらは単なる作業ではないのですね。

初女さんの言葉は、人生の道標のような感じがします。

パパさん、気付きの記事をありがとうございました。
5. Posted by macrobi papa   November 07, 2007 05:07
こんばんは、jgirlさん。

僕も挨拶して、握手してもらいました。
右手で握手すると、それを左手で包み込むように、初女さんは握手をしてくださいます。
とっても柔らかくて、温かい手ですね。

ああ、この手があのおむすびを生み出すのかと、思いました。
6. Posted by macrobi papa   November 07, 2007 05:12
こんばんは、しろうささん。

初女さん、旧姓が「神じん」なんですね。
確かにすごい名前。

小さな小さなお話会でしたので、身近にお話が聞けてとても幸運でした。
7. Posted by macrobi papa   November 07, 2007 05:17
こんばんは、つづこさん。

食材を「いのち」として見る。
これって、都市に住む私たちの生活では、実際難しいことなのかもしれません。
農業が身近に無く、野菜たちが育っている風景を見る機会はほとんどありません。

昔、料理人は農業もしっかり出来なければいけないよって、話されていた方がいました。
一度、自分の手で、米や野菜を育てたいと思っています。
8. Posted by macrobi papa   November 07, 2007 05:21
あ、つづこさん。
「そうじ市松」入隊、受け付けました。

そうじは、終わりなき戦いですが、正義の心で、汚れ怪人をやっつけてください。
市松模様か・・確かに凄腕そうです。
実写化したら、大変なことになりそうですね(笑)。
9. Posted by macrobi papa   November 07, 2007 05:26
こんばんは、かなりあさん。

「ゆがく」の野菜で作る料理は、いのちが宿ると云われます。家族も美味しいと喜んでくれます。

http://bany.bz/yomikai/entry_61823.php
も、読んでて参考になりました。
10. Posted by haremi   November 07, 2007 10:40
おはようございます
「茹がく」って普通に使っていたのですが
お話を伺って『言霊』を再認識しました

*****
トラバさせて頂いたのですが・・・
(関係ある様な無い様な記事です)
承認制ですか?
11. Posted by izumimirun   November 10, 2007 09:35
佐藤初女さんの講演会、いいですね。
憧れの人です。行ってみたいな……。

リンクのお返事ありがとうございます。
早速はらせていただきますね。
ちょくちょくお邪魔しますので、どうぞよろしくお願いします。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔