October 20, 2006

陰と陽 LV3 太極と陰陽4つの性質

 ■陰陽の四法則■

陰と陽は中国古代の思想「易えきの考え方です。
この世界にあるすべてのものは「陰」と「陽」を含んでいて、そのバランスの上に成り立っていると考えます。

たいきょくずこれを『陰陽学説いんようがくせつといい、【中医学ちゅういがく・中国の医学】の基礎となる考え方です。
「病気」とは人の体の陰陽のバランスが崩れることによって生まれます。
その崩れたバランスを整えてあげることで、病気を予防したり治療したりすることが出来ると考えます。
この考え方は桜沢氏によってマクロビにも取り入れられました。

でも、陰陽って難しいとも思いませんか?

ひとつのものの中に「陰」と「陽」があり、そのバランスや見方が変われば、
同じものでも陰になったり、陽だったり。
それは、ひらひらと飛ぶ蝶のように、捕まえにくい。
マクロビ始めたばかりの方は、結構苦戦するはずです。

でも、大丈夫。陰と陽の変化には【4つの法則】があります。
どう変化するのか知っていれば、先回りして捕まえることもできるんです。
それでは、陰と陽を知る上で欠かせないこの4つの法則を見ていきましょう。


 ■1)陰陽の対立 ■ 陰と陽は対立する両極にあります

この世にある、目に見えるもの、見えないもの、すべてが<2つ>に分かれ、
その<2つ>はちょうど『対立』する正反対の性格を持っています。
これが『陰陽の対立』です。

 【陰yin】

秋や冬、地、柔、静、裏、抑制、女性が“陰”です。
紫・青・緑のもの・甘い・酸っぱい・辛い、も陰性。

マクロビでは遠心的で、拡散する(外に広がっていく)性質を持ちます。
物にヒモ付けてぐるぐる振り回すと、外側にひっぱられる力が働くでしょう?
あれが遠心力。陰性の力。

陰性の強い植物は、天に向かって育ちます。
地球の中心から、外側へと向かうんです。


 【陽yang】

春や夏、天、堅、動、表、興奮、男性が“陽”です。
赤・黒・オレンジ・黄色のもの・苦い・塩辛い、も陽性。

マクロビでは求心的で、収縮する(内に集中していく)性質を持っています。
地球の上だと、ぐーっと重力がかかるでしょう?
それが求心力。陽性の力。

陽性の強い植物は地に向かって育ちます。
地球の中心にむかって内側へと向かうんです。

(男性は陽性ですが、すべてが陽性というわけではなく、その中に陰と陽を含んで
 います。例えば「お腹」は陰性、「背中」は陽性です)


 ■2)陰陽の消長 ■ 陰陽のバランス

ひとつのものには「陰」「陽」の2つが入っています。
そのバランスは常にぐるぐる変化していて、陰が増えれば陽が減り、陽が増えれば陰が減ります。ちょうどシーソーのようですね。
陰が増えることを「陰遁いんとん」、陽が増えることを「陽遁ようとん」といいます。

例えば、春から夏にかけて陽性が強くなり、やがて秋を迎え、冬に向けて陰性が強くなりますよね。『陰陽の消長しょうちょうとは、そんな感じに陰陽のバランスが変化していくことを云います。


 ■3)陰陽の転化 ■ 陰になる陽、陽になる陰

陰は極めれば陽になり、陽も極めれば陰に変わります。
そのものを極めれば、その逆なものに変化するのです。
これを『陰陽の転化てんかと云います。

こう書くと難しく感じますよね。
夜は必ず朝になり、冬は必ず春を迎えるということです。


 ■4)陰陽の依存 ■ お互いに相手があって成り立つ

陰だけで形作られるものはありません。陽だけもありません。
強い陽性の中にも、少しの陰性が入っています。
光がなければ影が生まれないように、陽がなければ陰はなく、陰がなければ陽もありません。
『温かい』という感覚があって、はじめて『寒い』という感覚が生まれます。
これを『陰陽の依存』と云います。

苦しいことがあって、はじめて幸せを感じられるということです。


 ■太極図■

 この【4つの法則】は、【太極図たいきょくずの中に見ることができます。
太極図って冒頭で出した、韓国の国旗みたいな表です(↓)。

           たいきょくず







太極図とは円の中に対極にある陰と陽の動きを表した古い文様で、円は
【無極むきょくを表し、宇宙の完全な統一性とすべての始まりを意味します。

陰は黒、陽は白で描かれています。
交わることのない黒と白は『陰陽の対立』を、
対になった2つの形は『陰陽の依存』を表します。

「陽」は広がり「陰」の中に吸収され、「陰」もまた「陽」の中に呑み込まれます。
これを示す頭が大きく尾が細い形は、『陰陽の消長』を表します。

太極図の一番卓抜したアイデアは、「陽」が中心部に向かって、最も盛んになろうとするときに「陰」の目が生まれることです。
白のオタマジャクシの中にある<黒い点>のことですね。
また、「陰」にも同じく「陽」の目が生まれます。
この目は【極化点きょくかてんといい、『陰陽の転化』を表します。

対極の力を中心に抱いて互いに互いを取り込んで、生成流転を繰り返していく、
決して一方に偏ることのない「中庸」の姿をあらわします。
この陰と陽の変化の中から万物が生まれるという考え方を【太極思想】といいます。


このように宇宙や自然現象などの大きなものから、お米一粒の小さなものまで
すべてが陰と陽を含みます。
すべての変化はそのバランスの変化が引き起こしているのです。
人間の健康や性格までもがそのバランスで、良くも悪くもなるのです。

「食」を通じて陰陽のバランスを整え、健康で充実した人生を送る。
これが「食養生」の神髄であり、マクロビオティックに受け継がれた基礎です。


 ■陰陽の意味■

最近ちょっと思うこと。
ここから先は私見です。


なぜマクロビでは陰陽を学ぶのでしょうか?


「健康」のため、陰陽を学び、そのバランスをとることは大切なことです。
しかし陰陽は食べ物の善悪を計るためにあるのではありません。

この食べ物は極陰性だから「悪い」、これは少し陽性だから「良い」。
それは現代栄養学が、ギャバは「良い」、フィチン酸は「悪い」と食べ物を取捨選択するのと同じです。
食べ物の陰陽にこだわれば、また大切なことが見えなくなってしまうように思うのです。

 世界には善も悪もなく、ただ陰と陽があるだけ

陰陽を知るということは、二極に捕らわれず、物事をつき放して見ることの出来る
<陰陽の目>を持つことだと思います。
<陰陽の目>は陰陽二極のどちらにも捕らわれない第3の視点。
より高い視野から、広く物事を見つめるマクロな(大きな)視点です。

その視点を得る道を未来に残すために、
桜沢先生はマクロビに陰陽を取り入れたのではないでしょうか・

物事を善悪の二元から、突き放して<見る>とき、
「怒り」や「差別」「不安」を抱くことも、それに苦しむことはなくなります。
過去に固執することも、未来を恐れることもなく、
「今を生きること」が出来るんです。

この陰陽の調和の中で生まれる、【揺るぎない自由の心】がマクロビオティックの目指した「真の健康」だと思うのです。


vegetus at 06:19│Comments(21)TrackBack(0)clip!マクロ本 

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この記事へのコメント

1. Posted by マクロ美風   October 21, 2006 10:55
papaさん、素晴らしい記事をありがとう!
そしてお疲れさま!
徹夜だったのかな?

なかなかさんもそうですが、papaさんも男らしい内容の、ダイナミックな記事を書いてくださいましたね。
それぞれの持ち味が出ていて、とっても嬉しくなってしまいました。

で、私は?というと、最近、まともな記事を書いていなくて、少々、欲求不満気味です。
でも、素晴らしい人達に出会えて、多くのことを教えられ、私自身は満足しています。

お互い、時間が欲しいね〜。
2. Posted by rino-lawman   October 21, 2006 14:33
こんにちはpapaさん。

勉強になります。
本当は境界なんてものはないかもしれませんね。人の主観がそれを作り、善悪に分けているのかも。
機会があったらこういうことも話してみたいですね〜


3. Posted by おでんくん   October 21, 2006 23:41
陰陽のこと、まだ難しくてコメントするのもためらっていたのですが・・・「ただ、陰陽があるだけ」確かに食べ物の陰陽にこだわりすぎているところがあるな〜と思います。マクロ難民も同じような思いがあるのでは・・・マクロな視点をもてるようになりたいです。
4. Posted by macrobi papa   October 22, 2006 02:01
ふうさん、いつもありがとうございます。

最近<ほとんど徹夜>を使わないと記事を書けないんですよ。夜遅いもので。
でも、仕事は楽しんでます。

僕もブログやってて良かったと思います。
たくさんの人とのご縁を頂きました。

いつかはこのブログが無くなってしまうとしても、皆さんを通して学んできたことは、ずっと残っていくはずです。
5. Posted by macrobi papa   October 22, 2006 02:06
こんばんは、rinoさん。

たとえば今はやっています「風邪」とか?
しかし本来、そのウイルスに善も悪もありません。
善悪を決めるのは、人間の主観です。
ウイルスにも存在する意味があるのです。

6. Posted by 鍼美人   October 22, 2006 19:50
こんばんは
お久しぶりです

『ウイルスは 宿主となる生命体が無いと生きられません
その生命体が 絶滅したら ウイルスも絶滅します』

って 昔習ったんですが・・・
本当のところは どうなのでしょうか???

人との縁は・・・
切れたと思っても
「何処かで 繋がっているものなんだなぁー」と
この頃 強く感じます

太極図の様な感じで
陰も陽も消えない 
丸く繋がっているのかなと・・・

***
陰陽に関係ある様な
無い様な コメントでした m(__)m





 


7. Posted by pea129   October 22, 2006 22:22
こんばんわ、パパさん。
ご無沙汰しています。

すごーく久しぶりにPCを起動したら
なんだか突然パパさんのブログが見たくなり
読んで納得。
私もちょうどこういうことを考えていたんです。

陰と陽がただあるだけ。
今を生きる。
8. Posted by pea129(続き)   October 22, 2006 22:23

本当にそうなんですよね。
だから、人でも物でもただ、今そこにある。っていうだけでそれをどう捕らえるかは自分。
コップ半分に注がれた水を見て、「あぁ、もう半分しかない」と思うか、「あと半分もあるよ!」と喜ぶか
はその人の気持ち次第というのが最近読んだ本に
書いてありましたが、本当にそのとおり。

とにかくマクロを続けていると
「あと半分もあるよ!」と思える自分に自然と近づくんですよね。いろんなタイミングが合ってきて、幸せのアンテナが増えてくる。(今までの自分では気づかなかったことも、気づいて幸せと感じるようになる!)
だから、マクロって今、多くの人に求められているんだと思います。
(長くて書き込めなかったので二回に分けました・・・。)
9. Posted by macrobi papa   October 23, 2006 01:16
こんばんは、おでんさん。

陰陽は難しいです。
いまだに捕まえられなくて、僕の頭の上をヒラヒラと飛んでますよ。
10. Posted by macrobi papa   October 23, 2006 01:24
ごめんなさい、鍼美人さん。
最近、他の人のブログを見る時間がほとんどとれなくて。
何とかします。

ウイルスって、どんなに新薬を開発しても、無くならないでしょう?
すべてのものには存在する理由があって、そのバランスを知り、活かしきるのがマクロビオティックです。

ウイルスにもまた<存在する理由>があります。
消えて無くならないのであれば、共存する道もあるのではないかと思ったのです。
11. Posted by macrobi papa   October 23, 2006 09:09
久しぶりにpeaさんの話が聞けてうれしいです。

<幸せのアンテナ>のフレーズは素敵ですね。
幸せのアンテナの感度が良くなれば、自分の周りが小さな幸せで満ちあふれていることに気が付きます。

今持っているもので、人は十分に幸せになれるんですね。

12. Posted by 鍼美人   October 23, 2006 10:13
きゃぁ〜誤解です
papaさん 謝らないで下さい!!

私は、人の好きなタイプ/苦手なタイプが、かなりハッキリしていて・・・
その結果 色々とドジを繰り返し『絶縁』されちゃったり
してるんで・・・

その事に対しての思いです
紛らわしくてごめんなさい
13. Posted by shubo   October 23, 2006 10:41
僕の身体には、生まれた時からウィルスが宿っていて、35年間静かにしていてくれたのですが、突如暴れだし、身体を蝕みました。

しかし、そのことがあって初めて、「生きる」ということに自覚的になることができて、そしてマクロビオティックを知ることになり、ほんとうの自分を見つけることができたように思います。

今も身体にはウィルスが生きていて、静かに僕を見守っています。もし、陰陽の調和が崩れれば、すぐに騒いで、僕に知らせてくれることでしょう。

僕にとって彼らは、とても頼りになる陰陽師なのです。
14. Posted by lhs   October 23, 2006 14:08
papaさん、こんにちは。

ちょうど、私としてはめずらしく陰・陽をブログに
書こうとしてるときでした。
(あ、私のはアカデミックでもない単なる体調の変化なのですが・・・)

>「健康」のため、陰陽を学び、そのバランスをとることは大切なことです。
>しかし陰陽は食べ物の善悪を計るためにあるのではありません。

私もそう思います。
マクロの真髄というか、陰陽を学ぶことは、
「己をよく知る手段」
であって、
「己を最大限生かしてより楽しく生きる」
ということに尽きるのではないでしょうか。
そんなふうに感じます。
15. Posted by macrobi papa   October 24, 2006 04:49
こんばんは、鍼美人さん。

ははは、すみません。
でも、ちょっとドキドキしました。
いやあ、良かった。良かった。・・良くはないか。
16. Posted by macrobi papa   October 24, 2006 04:55
こんばんは、shuboさん。

私見ですがウイルスの存在意義について考えてみました。
菌やウイルスは、体の悪い要素を食べると聞きます。
その際、病気のような症状を起こしますが、全体から見れば
それは治癒作用なのではないでしょうか。
だとすれば、彼らもまた、私たちには必要な存在と云うことになります。彼らを撲滅することに力を注ぐ前に、自分の生活・食べ方を省みるべきではないかと。

shuboさん、悪いと思えることの中から、何かを見つけ、自分のプラスに出来る生き方は、とても素敵ですよ。
17. Posted by macrobi papa   October 24, 2006 05:02
こんばんは、lhsさん。

善玉菌、悪玉菌という言葉があります。
善悪という言葉は、人間から見て、役に立つか?役に立たないか?という基準から付いたもので、どちらもただ菌であるだけ。
ただ善玉菌を増やそう、悪玉菌を撲滅しようとしても、健康にはなれないような気がします。

同じ話題について考えるのはシンクロニシティでしょうか?なんか嬉しいです。
18. Posted by サニー   October 24, 2006 10:03
素晴らしい記事ですね。

papaさんの物事をしっかりと捉えられて思考されている姿勢、素晴らしいと思います。

善という言葉があるから悪と言う言葉が成り立ち。
悪という言葉があるから善もまた成り立つ。

私も常々言葉に惑わされず、第三の目を意識して
判断していきたいと思っています。

まあ、ただ、これが・・・難しいんですよね(苦笑)
19. Posted by macrobi papa   October 26, 2006 01:50
こんばんは、サニーさん。

難しいです。書いていても、それが自分で出来ているわけではありません。いつだって、先の見えない未来は不安ですから。

自由であること、第3の目を持つと云うことは、ある意味「悟り」です。宗教であっても、道であっても、マクロビであっても、行き着くところは同じなんですね。
20. Posted by ミチ   October 30, 2006 01:33
こんにちは
いつも、パパさんの記事には感銘を受けています。今回の陰陽についての話は、本当に分かりやすかったです。
いつも、読み逃げしておりました。これが2度目のコメントです。
少しずつ、マクロビに近づいていけたらと思います。
21. Posted by macrobi papa   November 03, 2006 09:07
おはようございます、ミチさん。

読んで頂けるだけで、嬉しいですよ。
コメント頂けるのは、励みになります。
そのうち続きを書ければと思います。
ぼちぼちの更新ペースですが・・

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