August 26, 2006

中庸の調理術【玄米の夏炊き】

今日は圧力鍋を使った<玄米の夏炊き>を紹介しますね。

蟹穴











これはG-Veggieの佳子ヴォス先生に教えて頂いた方法。
「G-Veggie」は、東京蒲田にあるマクロビオティックの教室。
佳子ヴォス先生は、そこのメインインストラクターです。

 (佳子ヴォス先生のブログ【G-Veggieでマクロビオティックを】)



 ■鍋ぶたの陰陽■

<煮る>という調理法は、水を使って素材を加熱する調理法。
そのため、<焼く><炒める>といった直火の調理に比べ、
【陰性より】の調理法になります。

また、同じ<煮る>でも、蓋をして煮ると、【陽性より】。
蓋をしないで煮ると【陰性より】になります。

物を凝縮させる【陽性】は、体を引き締め。
物を拡散させる【陰性】は、体を緩めます。

どっちが強くなっても、体は調子が悪くなりますから、
うまーくコントロールして、ちょうど真ん中【中庸】に近づける・・

それが『中庸の調理術』です。


 ■玄米の夏炊き■

高い圧力(強い陽性)をかけて炊く圧力鍋の玄米は、陽性のごはんになります。
もちもちと柔らかく炊けますので、食べやすいか?と云えば、食べやすい。
けど、暑い夏の時期(陽性が強くなる)には、重たくてとてもじゃないけど、
 食べられない。

それで僕の場合、冷たい物(陰性)や麺類(陰性)ばっかり食べて、
毎年、夏バテしていました。
土鍋で炊けば、程よく陰性のごはんになるのですが、
圧力鍋のもっちり感も捨てがたい。

そんな時は、圧力鍋で<夏炊き>。
特に難しいことはありませんよ(↓)。


 【玄米の夏炊き法】

1)まず、洗米したごはんを吸水させます。
  吸水率100%まで。
  【恒温水吸水法】なら4時間。

2)ザルで一度水を切り、圧力鍋に移します。
  炊飯用の水を静かに注ぎます。水は米と容積同量(1.0倍)
  (200ccの米に、200ccの水)
  塩はまだ入れません!

  ちなみに、無吸水で炊く場合は、水の量は容積1.2倍。
  (200ccの米に、240ccの水)

3)フタをしないまま火にかけます。
  鍋の陰性の使い方ですね。

 鍋あけたまま









  沸騰してから、塩を入れます。
 (米3合で、塩小さじ1/3くらい)
  圧力鍋のフタをして、圧力をかけます。

 圧力フタ







  25分炊飯。
  やや短めの時間で炊きます(通常30分)。
  火を止めてそのまま15分蒸らし。
  できあがり。

 蟹穴








表面に穴がボコボコ開いてるでしょう?
【蟹穴かにあな】って云うんですよ。
これがいっぱいできるのが美味しく炊けた証拠。
「マクロビと玄米 10)黄金の米」で、その作り方は書く予定。


夏炊きの玄米は、圧力鍋で炊いた玄米特有のもちもち感を残しながらも、
やや粒が固く、さらりとして食べやすくなります。
これを「米が開く」と、僕たちは表現します。

日頃、肉食(極陽性)で、玄米が入りにくい人も試してみて下さいね。
さらに「陰性の穀物」を一緒に炊き合わせれば、より陰性のごはんになります。穀物で【陰性】なのは、丸麦やトウモロコシです。
炊きあがりに茹でた枝豆を混ぜるのも個人的に好き。

僕は無吸水で玄米で炊くことはしないんだけど、
どうしても急ぎで炊くとき、この<夏炊き法>を使うと美味しく炊けます。


あ、そうそう。
「圧力鍋で炊いたごはんでウエストが引き締まる」って情報を聞いたけど、未確認。
誰か試して教えて下さいね(笑)。

【玄米炊飯法の記事】
玄米の炊き方

【関連する記事】
マクロビと玄米 1)玄米食の問題点
マクロビと玄米 2)玄米と農薬
マクロビと玄米 3)玄米は太る?
マクロビと玄米 4)フィチン酸の中の悪魔?
マクロビと玄米 5)フィチン酸の中の天使
マクロビと玄米 6)発芽玄米 前編
マクロビと玄米 7)発芽玄米ってなんですか
マクロビと玄米 8)発芽玄米 後編
マクロビと玄米 9)炊くって何ですか?
鍋について 1)圧力鍋


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この記事へのコメント

1. Posted by 治子   August 26, 2006 09:10
マクロビパパさん,こんにちは。

『玄米の夏炊き』今,まさに知りたかったことです。

朝に炊いた玄米ごはん,昼にも食べるにはなんだか重いな〜と昼は麺類が多くなってました。

あれって浮気だったのねw

夏バテも心配ですが冬の冷え対策のためにも,今から食べ方を調整したいなぁと基本の玄米を美味しく食べたいと思ってました。

パパさんのお料理記事は,いつもわかりやすくて「よし,やってみよう!」という気になります。
『玄米の夏炊き』早速,試してみますね。


2. Posted by マクロ美風   August 26, 2006 10:50
papaさん、こんにちは。
私もその方法で、夏場の玄米ごはんを乗り切っています。
プチプチとした歯ざわり感が楽しいですよね。
しかし、胃が元々弱い私は、この方法だと少し消化が悪いですね。
だから、よく噛む・よく噛む・よく噛むですね(笑)

よく考えてみたら、私は自分のブログでこの炊き方を紹介していなかったので、不親切だったなぁと反省しています。
自分だけのものになっていたことに、猛省。
3. Posted by macrobi papa   August 26, 2006 11:31
こんにちは、治子さん。

危なく夏が終わっちゃうとこでした(笑)。

喜んでもらえたり、やってみました云われると、とても励みになります。お料理系に記事はエネルギーが必要でして・
4. Posted by macrobi papa   August 26, 2006 11:35
こんにちは、ふうさん。

「猛省」って、すごいですね(笑)。
ふうさんが書かれていたら、僕はそこにリンク貼ってお終いでしたよ。

あと、2つ3つ記事を書いたら、玄米の記事を書きます。
5. Posted by しろうさ   August 26, 2006 22:50
こんにちは。木曜日はおいしいお料理ありがとうございました。

ウエストが締まる、かどうかは分かりませんが、私は夏の暑い日に、高圧で炊いた玄米をいただくとあばら骨からみぞおちにかけてぎゅうっと締まって苦しくなることがあります。外食では夏でも高圧炊きのものがほとんどなので、あえてパスタやパンを選ぶことも。
家では土鍋とフィスラーの低圧炊きですが、この蓋を開ける方法も無浸水以外に夏の炊き方としても使えるんですね。いい方法を教えていただきました。ありがとうございます。
6. Posted by macrobi papa   August 27, 2006 00:44
こんばんは、しろうささん。

確かに高圧の玄米は、夏場はキツイですね。
マクロビのレストランは、高圧の玄米を出すところが多いのも事実です。この方法がもっと広まりますように・

家でもコレ知らなくて、重い玄米をせっせと食べていました。陽性の強い子供は、ほとんどその玄米を食べません。

夏炊きにすると結構食べてくれます。
7. Posted by 怪鳥   August 28, 2006 00:36
>圧力鍋で炊いたごはんでウエストが引き締まる

マジですか?
我が家は5月頃からずっと
浸水して土鍋炊きのご飯ですが、
そろそろ秋の気配もするし
圧力鍋炊きに戻そうかな。
いつも勉強になる記事ありがとうございます。
8. Posted by macrobi papa   August 28, 2006 01:04
しろうささんへ。

>浮気して麺類なんたら・・

と書いていたところを、訂正しました。
夏場に麺類を選択することは、悪いことではありませんよね。むしろ、そういう選択もマクロビ的だと思います。

今日一日仕事しながら、ずーっとそれが引っかかってました。
9. Posted by macrobi papa   August 28, 2006 01:07
こちらこそ!
怪鳥さんのメールマガジンはとても為になります。
ちょうど自分の考えているテーマを取り上げていたりして、
それもなにか嬉しいです。

>ウエスト引き締まる。

うーん。なんか迷信ぽいですが。
10. Posted by maisen   August 29, 2006 17:45
フタをしないで火にかけるとは
全く想像しておりませんでした。
確かに夏向きのさらっとした仕上がりに
なりそうですね。
早速試させていただくことにします。
いつもありがとうございます。
感謝
11. Posted by macrobi papa   August 30, 2006 02:14
こんばんは、maisenさん。
いつもありがとうございます。

炊飯時間は夏は25分。冬は30分。
基本的に20分、火にかけ続ければ炊けます。
20分の時は「酢飯」とか「リゾット用」とかの時。

・・となります。
ふたつ鍋を使っていくつものシチュエーションで夏炊きを研究してみました。それでも重いようなら、やはり土鍋炊きということになります。
土鍋はステンレスより柔らかい(陰性)。
これで炊く玄米は、「陰性エネルギーを持つごはん」に炊けます。
12. Posted by rino-lawman   August 30, 2006 11:15
お久しぶりです、rinoです

どうやら私も夏場は発芽玄米の方がいいみたいでした。
前回の記事がとても参考になりました。ありがとうございます。

最近は夜も過ごし易くなってきました。もうすぐあのカラフルな子達が去っていくのは少しさみしいです。
13. Posted by macrobi papa   August 31, 2006 01:44
やあ、rinoさん。
夜も涼しくなりましたね。
暑いとパソコン開くのも、おっくうで・

玄米の記事の続きはもう少し涼しくなってからを予定しています。冬にならないように気を付けます(笑)。
14. Posted by サラママ   August 31, 2006 12:07
この炊き方、早速やってみました。
沸騰まで蓋しない方法は、浸水時間が短いときの救世策と聞いてはいたのですが、試したことありませんでした。
今朝、一晩浸水させたのを蓋せずに低圧で炊いてみたのですが、粒がたってて感動的に美味しかった!今の自分の状態に合っているようです。しばらくはこれでいきます。
不思議と今朝はコーヒーが欲しくないんです。コーヒーが欲しかったのは、きっとモチモチ玄米のせいだったんですね。
今更ながら、玄米の炊き方には注意せねばと思いました。これ、真ん中の食事からぶれないための重要ポイントですね!
15. Posted by macrobi papa   September 01, 2006 01:39
体験からマクロビを学ぶ。
サラママさんは、自然にそれを身につけているんですね。

浸水時間が短いときはやや炊き方が変わります。
でもやっぱりちゃんと浸水したものの方が、
美味しいですよね♪
16. Posted by マリー   September 05, 2006 03:34
なるほど、そうだったんですね♪

私は、圧力鍋にカムカム鍋を入れて玄米を炊いていて、やわらかく炊けてとても気に入っていたのですが、最近夏になって彼氏が麺類ばっかり食べたがって、とても不思議だったんです。

さっそくやってみます!
17. Posted by macrobi papa   September 06, 2006 16:50
こんばんは、マリーさん。

この方法は基本的に圧力をかけることには変わりないので、
陽性は陽性です。
見た目も劇的には変化しません。

でも、食べやすいんです。
夏が過ぎても、通年この炊きかたと云う人もいますよ。

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