July 01, 2006

マクロビと玄米 7)発芽玄米ってなんですか

「発芽玄米」の記事、前編と後編のあいだ。

発芽玄米が有田水害で始まって、吸水が大変で、
低温水法で発芽できなくて・・はい、質問ですか?

「ところで、発芽玄米ってなんですか?」

あ、そういえば、基本的なこと話すの、すっかり忘れていました。


では、さっそく「発芽玄米」集中講座。
これ(↓)さえ読めば、テストで出ても大丈夫。


 ■発芽玄米って、なんですか?■


玄米は『稲イネ』って植物の【生きてる種】だから、蒔けば芽が出る。
植物の発芽(芽が出ること)に必要な条件は、基本的に3つ。

 「水」「温度」「酸素」

稲の場合、「酸素」はそれほど気にしなくて良いでしょう。
【日本型・稲】は<水生植物すいせいしょくぶつ>だから、水の中にドブンと浸けた、<低酸素状態>でも発芽できる。
水中の「酸素」を使うんですね。

浸けっぱなしより、4時間おきに水替えをして、
「酸素」を補充してやった方が良く発芽します。

「酸素」は、あった方が良いといえば、良いという感じ。
重要なのはあとの2つ、「水」と「温度」。


では、玄米の発芽する仕組みを、
僕の助手が説明しますね。

 「おーい、助手君。出番だよ」


 玄米君







 「ぐー」

困ったな。また寝てるよ。


無吸水の玄米は、スヤスヤ眠る赤ちゃんと同じ。
休眠状態のまま発芽に適した<春>を待ちます。


では、助手君に温かい水に入ってもらいましょう。
おっ、目を覚ましたようですよ。

水中反応














 【STEP.1】

「水」と「温度」。2つの条件が揃うと、
植物の赤ちゃんである『胚はい』が目を覚まします。

白米はこの「胚」をとってしまうから発芽できないんですね。

胚は「胚乳(白米の部分)」や「ぬか層」の中に、お母さんからもらった
栄養をたっぷりと持っています。
でも、がっちりスクラム状態で、使いづらい。


【STEP.2】

目を覚ました「胚」は<酵素こうそ>をせっせと出して、
保存状態の栄養を使いやすい形に分解します。

この時働く【酵素】は、主に3つ(↓)。

酵素3














3つの酵素がせっせと働いて玄米の栄養価はパワーアップし、
使いやすい状態になります。

ちょっと芽が出て「さあ、これから発芽するゾー」という
最大限活性化された状態が発芽玄米。
この成長エネルギーを摂り入れて健康になろうというのが、
【発芽玄米食】の考え方です。


【STEP.3】

分解された栄養は玄米に入り込んできた「水」に溶け、
胚にどんどん吸収されていきます。
小さな芽は、葉をつけ光合成をはじめ、
深く伸びた根は、水とミネラルを吸い上げます。

玄米は、立派な「イネ」として育ち、
やがて来る秋には、またたくさんの命を実らせるのですね。


 ■発芽玄米のすごい効果■

発芽の目安は、「0.5mmから1mmほど発芽している状態」です。
完全に「芽」が出ちゃうと、栄養使っちゃってるし、
食味も落ちます。

<発芽玄米の効果>として主なものを挙げると(↓)、

1)玄米の外皮が柔らかくなり、炊きやすく、食べやすくなる。

2)生活習慣病に効果があるとされる「GABA(ガンマーアミノ酪酸)」が
  数倍に増加する。

3)ヌカ層のフィチン酸が分解されて、ミネラルの吸収が良くなる

4)分解されてできる糖とアミノ酸で、独特の旨みと甘味が出る。
  (上手く完成した発芽玄米には、トウモロコシの香味があります)

5)これら糖とアミノ酸が、肝臓の働きを活性化させ、
  体の自然治癒力を高める


など、たくさんのメリット。すごい効果。
主食として摂れば、玄米の中の元気を最大限に自分の中で活かすことが出来ます。
あとは、いかに発芽玄米食を取り入れるか?
そのために・

 「最大限、最速に玄米を活性化するには?」

それが、『マクロビと玄米 8)発芽玄米 後編』のテーマ。
玄米の活性化に重要なポイントとなるのが「水」「温度」。
その仕組みを知ることで、それを操ることも出来ます。

それはまた、次のお話。


ところで<僕の助手くん>。名前を公募しています。
なにか良い名前があったら、コメント下さいね。

玄米君










・・また寝てるよ。




vegetus at 02:45│Comments(21)TrackBack(0)clip!マクロ本 

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この記事へのコメント

1. Posted by 雅子   July 03, 2006 07:42
はじめまして。 20年ぶりにマクロビ生活を再開させ、こちらにたどり着きました。 20年前は母が全て食事を作ってくれていたのですが、今回は自分で・・・(笑)。 何をどこから始めたら良いのか、レシピなどをググってるうちにこちらにたどりつきました。 さっそくマクロビ・パパさんのレシピを参考に小豆かぼちゃを作ってます(今かぼちゃを入れたところです)。 玄米の話、大変参考になりました。 過去記事の農薬の話も、疑問に思ってた点だったので、すっきり!です(今回マクロビを始めるにあたり、残っていた有機栽培ではない玄米を捨ててしまいました〜。 マクロビ・パパさんの記事を読んでたら、多分完食してたかもです。笑) 新米なんちゃってマクロビアンですが、宜しくおねがいします〜!
2. Posted by rino-lawman   July 03, 2006 12:40
こんにちは、papaさん

デザイナーの杵柄すごいですね。とても可愛らしい助手君です。

しかし更新時間がまた深夜…お疲れ様です。
3. Posted by kebu   July 03, 2006 15:37
papaさん、こんにちは。
分かりやすくて、とっても勉強になります。
小さな玄米の一粒一粒には凄いパワーが眠っているのですね。
助手くん、カワイイです。^^

助手くんの名前…う、うーん…うーん…
「GENTA」くん…玄米の「GEN」元気の「GEN」…

す、すみません…何のひねりもなくてッ。(汗)
速やかに却下してください!
4. Posted by kyoko   July 04, 2006 00:50
パパさん、ずいぶんご無沙汰しております・・。
以前、リンクをお願いしました者です。
その後もこちらではとても楽しく勉強させていただいていますが、読み逃げばかりでスミマセン。

でも、今回はひとことお礼を言いたかったのです。
というのも、少し前、塩と腎臓病で調べていましたら、あるサイトに辿りつきました。そこは、玄米を否定(たしかマクロビも否定)、天然塩も否定・・なサイトで、一瞬これまで信じてきたことが揺らいでしまったのですが、玄米に関しては、ずいぶん前にパパさんの記事を読んでいましたので、ぜ〜んぜん大丈夫でしたv^^
そして、塩も2日ほどは揺らいでしまってたのですが、病気でもないんだし、取りすぎなければ大丈夫でしょ!と思えました。
5. Posted by kyoko   July 04, 2006 00:51
続きです。
それに何度か読んでいるうちに、そのサイトではダメ出しはしてても、じゃあどうすればいいのか、みたいなことは書かれてなくて不安をあおるばかりなことにも気づいて違和感を覚えました。

なので、今では、やっぱマクロビってすごいなぁ・・と素直に思え、でも頑なにならないで、楽しめるようになりました。

これもパパさんのおかげです。
どうもありがとうございましたm(_ _)m
長くなってスミマセンでした〜
6. Posted by macrobi papa   July 04, 2006 01:29
こんばんは、雅子さん。

マクロビオティックの食事法は、乳製品が使えなかったり、
動物性が使えなかったり、とても窮屈です。
でも、見方を変えれば、あれこれ工夫していくのも
楽しかったりします。

こちらこそよろしくお願い致します。
学ばなければならないことは、まだたくさんです。
7. Posted by macrobi papa   July 04, 2006 01:30
こんばんは、rinoさん。

いろいろ出来るようになってくると、なんだか嬉しいですよね。今回の記事は、キャラクターばっかりになってしまいました(笑)。
8. Posted by macrobi papa   July 04, 2006 01:32
こんばんは、kebuさん。
名前がローマ字だとかわいいですね。

名前考えて下さって、ありがとうございます。
ちょっと嬉しかったです。
9. Posted by macrobi papa   July 04, 2006 01:46
こんばんは、kyokoさん。

一昔前まで「バナナ」は消化が悪いものと云われてました。
今ではアスリートの人たちが、競技前に栄養補給に使うくらい消化の良い食べ物として知られています。
「牡蠣」は高血圧には良くないからと医者の指示で、大好物をずっと我慢されている方がいました。最近の研究で「牡蠣」は血圧を下げる効果があると分かりました。

何を信じて、何を信じないか・
それは自分の中にあるもの。

この発芽玄米の話が終われば、とりあえずほとんどの玄米に関する問題は消えてしまいます。
あとは美味しい玄米の炊き方だけ。

もう少し。頑張りますよ。
10. Posted by さくらすみれ   July 04, 2006 15:11
papaさん、今日は。
またまた素晴らしい研究の成果を発表されましたね!(玄米博士?)
難しいテーマをサラリとわかりやすく解説されるpapaさんに脱帽です。(papaさん、この記事をUPするのに、相当勉強されたことでしょうね)
助手の玄米クン(これはネーミングではありません)もとってもカワイイですね。
後編、楽しみにしていますよ〜。
11. Posted by miton   July 04, 2006 19:19
はじめまして、papaさん。
mitonと申します。料理の講師をしています。
昨年からクシマクロビオティックアカデミーに通いマクロを始めちょうど1年経ちました。
いつもpapaさんのブログからマクロビオティックを勉強させてもらっています。お人柄がにじみ出ていて読みやすく主人も私もファンです。
7月27日にお店にまた行くことになっています。お料理楽しみで〜す(^^)
今までmixiの方でマクロのお料理写真をアップしていましたが、エキサイトブログにお引越ししてきました。よろしくお願いします。
12. Posted by 治子   July 05, 2006 23:03
マクロビパパさん,こんばんは。

助手くんのイラストがとてもかわいいですね!
玄米はどうやって発芽するの?のイラストも,かわいらしくって楽しくって,じーーーっと見入ってしまいました。
パパさんの玄米に対する愛情を感じる記事でした。

夜,寝る時に布団に入ってふと気がつくと,スヤスヤ眠る助手くんの顔が思い浮かびますw


13. Posted by みーま   July 06, 2006 08:09
パパさん、こちらでははじめまして。ず〜っと前には他所様のブログで差し出がましいことをいたしまして申し訳ありませんでした(覚えておられないかも)。いつも楽しく拝見しております。読み逃げばかりなので一度ご挨拶を、と思いまして。

助手君の名前・・・玄ちゃん。

すみません、うちでは金魚の金ちゃん、カエルのカエちゃん、ミミズのミミちゃん、スズメのスズちゃん、ヒヨドリのヒヨちゃん、カタツムリのツムちゃん(←これだけわずかにひねっている)、・・・(以下、延々と続く)と、すべてチョー安易なネーミングなんです。

失礼しました。

もうお気づきかもしれませんが、結構田舎に住んでいます。恩賜上野動物園に行ったときにはヒヨドリが展示されていてびっくりしました。「こんなん、毎日うちに来るやん!」

これからもこちらで勉強させてくださいね。
14. Posted by macrobi papa   July 06, 2006 15:24
こんにちは、さくらすみれさん。

高校の時は僕のノートは、分かりやすいのが評判で、
期末試験前に高値で取引されていました。

キャラクター使うと説明がしやすいので、
ちょくちょく登場させてやりたいと思います。
15. Posted by macrobi papa   July 06, 2006 15:27
こんにちは、mitonさん。

料理の講師ですか、僕も一度やってみたい仕事です。
いろいろ話を伺えたらと思います。
あとでブログにも伺いますね。
16. Posted by macrobi papa   July 06, 2006 15:33
こんにちは、治子さん。

ご好評にお答えして、また何か作りましょうか。
でもひとつキャラクター作るのに、とても時間がかかります。そのうち慣れるでしょうか・
17. Posted by macrobi papa   July 06, 2006 15:43
こんにちは、みーまさん。

その節はお世話になりました。
あまり流出させたくない情報だったので、先に手を打って頂いて助かりました。

そうですか、ヒヨドリがきますか。
僕の田舎もオニヤンマが飛んでいました。
カブトムシやクワガタの大きいのも、面白いくらいとれましたっけ。
町に住んでいると、そういうことも忘れそうです。

ちなみに実家の猫はミーちゃん。インコはピヨちゃん。
ネーミングはインスピレーションかと・・
18. Posted by rurikoi   July 08, 2006 07:19
名前 考えてみました。

生みの親の一字をとって 「米助」 ヨネスケ君
もうひとつは
「米蔵」 コメゾウ君

ぜひ 候補に入れてくださいね。
19. Posted by macrobi papa   July 09, 2006 00:41
そういえば、田舎にはヤギもいました。
囲炉裏もあって、ハエ取り紙には虫がいっぱい付いていました。そんなことばかり思い出します。
20. Posted by macrobi papa   July 09, 2006 00:43
ありがとうございます、rurikoiさん。

問題はどうやって名前を決定するかですよね。
21. Posted by 自然食品店モスラの娘   September 04, 2008 13:21
鳥取三洋社製の電気炊飯器、試してみられました?
前の晩にしかけておくと、発芽玄米ごはんが炊けるという優れものらしいんですけど、私の周囲に誰も使ったことのある人がいなくて、迷ってるのです。

あと、京都の大容さんというお店で扱っておられる佐久平のお米、すごく美味しいです。国の減反政策が実施された時に、額縁農法といって、田んぼの周囲を用水で囲むようにして耕作面積を減らし、その用水で、フナや鯉を飼ったの。

田んぼが果たす“陸地のダム”としての働きなども提唱してらして、大容さんは、とてもいいお店だと思います。

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