February 28, 2006

マクロビと玄米 1)玄米食の問題点

以前「玄米の問題点?」の中で、玄米の問題点は2つあると
書きましたね。

1)美味しく玄米が炊けない。玄米はまずい。
2)玄米を食べるとミネラル欠乏症になる。

この2点です。
こうした問題点を解決できないものか?・と
ネット上や文献にある様々な情報を集めてみました。
すると・


さらにいくつかの問題点があるようです。

3)ごはん食は太る。炭水化物は抜くべき。
4)全粒である玄米は、より農薬が残りやすく危険である。
5)玄米は消化に悪い。
6)「マクロビオティック=玄米」。なぜ玄米を食べるのか?

大きく分けて、この6つに集約されます。

・・増えましたね(笑)。


 ■なぜ玄米の問題点なのか?■

信じないということ>の記事の中で、こうした玄米の問題点にとらわれてしまうケースを書きましたが、「俺、信じないから、信じなくて良いよ」というわけではありません。念のため。
こうした問題点は事実、存在します。
無視することも選択のうちでしょう。

なぜ、玄米の問題点にこだわるのか?


<プラシーボ(偽薬)効果>というものがあります。
前に一度書いたことがあるのですが、分かりやすく云うと・

「薬だと信じて飲めば、小麦粉でも薬になる」

というものです。
人の<心・気持ち>が体に与える影響は、私たちが思う以上に大きいのです。
いくつか例をあげましょう。

「偽の手術をした患者が、本当に手術をした患者と同率の回復力を示す」
「ウルシの枝を栗の枝と云って肌にこすりつけるとかぶれない
 逆に栗の枝をウルシだと云うと、かぶれてしまう」
「貧しい人に、マザーテレサの映画を見せると、免疫力が向上する」
「非常に効果があると大宣伝された薬が、たいした効果がないものであっても、
 最初のうちは7割の治癒率を示す」
          <プラシーボの治癒力・ハワード ブローディ著から抜粋

プラシーボ効果は、強い薬を使わずに効果を上げることが出来るので、
医学の分野に応用できないか?と、今、色々と研究されているそうです。

ただ、その効果が現れるのが1/3程度の確率で、実用は難しいという意見も多く、
個人の性格・体質との関連性がほとんど発見されていません。

さて、この<プラシーボ(偽薬)効果>
僕はこれが「マクロビオティックの大きな弱点」になるのではないか?
と、考えています。
そして玄米の問題点にこだわる理由です。


 ■逆のプラシーボ■

それを「マクロビオティックの弱点」としたのは、

<毒なんじゃないかといって飲めば、それは体に悪い形となって現れる>
という危惧があるからです。

マクロビを実践される方、興味を持たれる方は、
「健康」に関心を持つ人、積極的に学ばれる方が多いことでしょう。
少なからず「あれは体に悪い、この食べ物は体に毒」といった情報が耳に入ります。
中にはかなり強く書かれたものもあります。

それは<悪い>という先入観や漠然とした不安を生みます。
心のどこかに不安があると、<自然とそれを食べること>は難しいのではないでしょうか?

そして不安は体の不調として現れます。

マクロビオティックで現れる強い好転反応(体の悪いものを排出する反応)の一部は、反転したプラシーボ効果ではないかと、僕は考えています。

不安を抱えたマクロビオティックは、いつまでも苦しいままです。
では、何も知らなければ<自然に食べること>が出来るのでしょうか?

そういった問題点から目をそらし、耳をふさぐことが正しいとは思いません。
自分が食べているものを知ることは、大切だと思うのです。

良いところも悪いところもひとつのもの。
そう受け止められたら、より高いレベルで<自然に食べること>が出来るはずです。


・・でも先入観なしに物事に向き合うって、簡単じゃないですよね。

だから、玄米に関する問題点はすべて解決してしまいましょう。
マクロビオティックの要とされる「玄米を食べるということ」。

美味しい玄米をただ純粋に楽しんでもらいたいのです。


マクロビと玄米 2)玄米と農薬 へ




vegetus at 11:04│Comments(24)TrackBack(0)clip!マクロ本 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by ふゆこ   March 01, 2006 12:54
こんにちは。
最近読ませていただくようになりました。

ありがとうございます。
始めたばかりで不安に思う事柄が少なくありませんが、
基本的に能天気なので「美味しければ身体にも良い」と解釈しようと開き直っていました。

でも、マクロビ・パパさんのお陰でもっと正確で自信の持てる理由でマクロビを楽しめそうです。

レベルを上げてくださってありがとうございます!
続きを楽しみにお待ちしています☆
2. Posted by macrobi papa   March 01, 2006 13:37
こんにちは、ふゆこさん。

気にしないのが一番です。

変に健康を意識せず、普通で自然であることが
不老長寿の秘訣であると、荘子が書いています。
昔の中国の偉い人です。

はーい、続きもがんばります。
3. Posted by maisen   March 01, 2006 17:53
「プラシーボ(偽薬)効果」
恥ずかしながら初めて耳にする言葉ですが
全くもってその通りだと思います。
心と体は思っている以上に深いつながりがあり
良いと思って食べれば良い効果があるし、
またその逆もありえます。
私もmacrobi papa様と同様、
純粋に玄米を美味しくいただくのが
一番いいと思います。
感謝
4. Posted by 小豆   March 02, 2006 08:21
プラシーボ効果は考えもつきませんでした。
そういうこともあるかもしれませんね。

私の身体がよくなったのもプラシーボ効果かしら^^
5. Posted by lhs   March 02, 2006 08:48
papaさん、おはようございます。

プラシーボ効果や思い込みについては、前々から考えていました。
特に、「ジャガイモ食べちゃったからカラダが冷えて冷えて・・・」
と聞いたりすると、私はなんともないのにな〜、
私が鈍感なのかしら?と思ったりして。

といいつつ、今日から7号食始めます。
なんでも、判断力が上がるそうなので。
思い込みやプラシーボではなく、起こった事実を正直に
(といっても思い込んでいたら、自分ではわかりませんねえ・・・)
レポートしていきますので、よろしければ遊びにきてくださいね。
6. Posted by macrobi papa   March 02, 2006 20:43
maisen様、こんばんは。

このコメントは削除いたしました。
申し訳ありません。
7. Posted by macrobi papa   March 02, 2006 20:45
こんばんは、小豆さん♪

良い方に回れば、良いことづくめです。
前向きな気持ちが、どんどん自分の追い風になるんですね。
8. Posted by macrobi papa   March 02, 2006 20:52
Ihsさん、良かった。
同じことを考えていて下さって・
プラシーボの反転効果は、ずーっと思っていたんです。

自分は好転反応でこんなにツライ。
でもあの人は、同じもの食べてもなんでもない。
きっとあの人は、鈍いのだろう。
って、マクロビにありがちな解釈です。

たぶん実際、そうなんだと思います。
でも、それにしては、マクロビのカテゴリーからちょっと外れただけで、すさまじい下痢や発疹。体調不良。
そしてそれを食べたことに対する後悔、罪悪感。

なんでマクロビで苦しい思いをしなければならないのでしょう?
9. Posted by BR_GIRL   March 03, 2006 13:57
プラシーボの反転効果!
私もいい方にいったのかなぁ、きっと!
目標としていた臓器系統が改善することよりも、全然眼中になかった重度の花粉症までほとんど症状がなくなってるのは不思議です。パパさんの書き込みがあるまで花粉症だって忘れてしまっていたんですから(笑)、うれしいのでよしとしましょう!いくら飛散が少ないとは言え、自分でもびっくりです。私はよくなると信じてやまなかった薬の副作用がひどかった。だとするとプラシーボの反転はあてはまってるのかな。そう思うと少し悲しいし、今も私のからだを気づかってくれるお医者さんにも申し訳ないような気もします。

薬も時には必要な状況もあると思うので。
>そしてそれを食べたことに対する後悔、罪悪感。
特に生真面目な日本人って余計そう思いやすいのではないかなぁという気もします。


10. Posted by macrobi papa   March 03, 2006 16:17
こんにちは、BR_GIRLさん。

僕も今年は花粉症の症状が出ません。
でも記事にすると、その効果が終わってしまいそうな気がして、黙っています(笑)。
「茶柱」のような感じ。

このまま乗り切れたら記事にしますね。
11. Posted by BR_GIRL   March 03, 2006 18:22
でも記事にすると、その効果が終わってしまいそうな気がして、黙っています(笑)。
「茶柱」のような感じ。
>うふふ〜
私もだまってようっと!
12. Posted by macrobi papa   March 04, 2006 07:31
BR_GIRLさん。
花粉症は辛いですからね。
あの症状を抑えるためなら、ジンクスでも何でも使います。

茶柱、分かりますか?
子供の頃、父に云われました。
「茶柱が立っていたら、黙ってそれを飲むと良いことがある」って。
でも2本立ってたりすると、うれしくてうれしくて、
ついしゃべっちゃうんですよね。

そういうおしゃべりは、良いんじゃないでしょうか?
13. Posted by 治子   March 04, 2006 08:19
macrobi papaさん,おはようございます。

>そしてそれを食べたことに対する後悔、罪悪感。
今,まさに私が感じていたところのモノです。
私はここ一週間,なんだか気分がすぐれない日々を過ごしていました。明らかな原因以外に,「私が実践したいと思っていたマクロビのカテゴリー」からちょっと?外れた食生活をしてることで「あああ〜っ,私の体の不調を整える食べ方がでけへんかった〜。私の口の勝手が体に申し訳ないことしちゃってる…ごめんね。」と軽く立ち止まってました。
14. Posted by 治子   March 04, 2006 08:29
>なんでマクロビで苦しい思いをしなければならないのでしょう?
これまた同じ様なことをふと思ってました。
自分が満足?するだけ立ち止まってたら,私の師が何かの話の時におっしゃっていた「生きているのだから間に合います。」という言葉を思い出し,ちょっと困っちゃってただけで,何も苦しい思いを私はしてたワケじゃないんだわ。と,この下手したら自分を追いつめてしまう「どうして?」の問題点は「どうしたらいいんだろう?」の課題へと変わって,またワクワクしてマクロビオティックを知って実践していきたいと思うようになりました。
15. Posted by 治子   March 04, 2006 08:31
長くなってスミマセン。

パパさんの記事(メッセージ)を読んでいると,「私のマクロビの問題」が「私のマクロビの課題」へと変わっていくことがよくあります。
私のワクワク楽しいマクロビ生活にはパパさんの記事(メッセージ)が欠かせなくなっちゃってるかも(笑)
さあ今日も,美味しい玄米ごはん食べてニッコリスタートしますね。


16. Posted by lhs   March 04, 2006 09:14
papaさん、おはようございます。
私も、今年は大丈夫なんです♪
茶柱が!
17. Posted by キッチンママ   March 04, 2006 21:42
こんばんわ。私は詳しい事は分からないのですが、「玄米の問題点」を読んで感じた事を書かせて頂いてよろしいでしょうか?
私は、一般的に玄米の問題点とされている幾つかの点について、本当は玄米は良いのか悪いのか、どちらかと答えを出す事ではないと思っています。
というのは、マクロビでも言われている「陰陽」に沿って考えると、何事も良い面悪い面の両方を含み、どちらか一方というのはないと思うからです。
万事に陰陽の両面を持ち合わせているなら玄米にあてはめると、良いと言われてる解毒作用が強くミネラル豊富で生命力に溢れている面を陽とするなら一方で、ミネラルを排出してしまう事などの陰の面を持ち合わせていて、陽の作用が強い分、すなわち有害物質や有害ミネラルの排出作用が強いがゆえに必要ミネラルをも排出してしまう「陰陽表裏一体」という事ではないでしょうか?
続く
18. Posted by キッチンママ   March 04, 2006 21:44
続き・・残念な事に私の周りの玄米食をされている何人かに玄米の問題点について聞いてみると否定され玄米信仰を感じる事が良くあります。良い面だけ受け入れて悪い面は考えない、否定される方がいます。マクロで陰陽をうたっているのに玄米についてだけ両面を見ずにそうかたずけてしまっているところに矛盾を感じてしまうのです。
19. Posted by キッチンママ   March 04, 2006 21:45
続き・・栄養学的に言われてる玄米の良い面悪い面にとらわれず、玄米の素晴らしい面は素晴らしいとして受け入れマクロビパパさんがおっしゃるように玄米の持つエネルギーというか解明されてない何かを信じて有り難くいただいて、実際に問題とされている点も栄養学的にはある事は事実のようなので一応頭において、偏ることなく体調をみて、毒素が溜まっていそうな時には玄米食にし、普段は偏る事なく他の穀物もとったり、白米の悪い面ばかり見ずにミネラルは少ないけど重要な糖質の補給源としてとらえて有り難くいただく、という風に何にでも「バランス」と「中庸の目」が必要なのではないかな、と思っています。
20. Posted by キッチンママ   March 04, 2006 21:46
長くてすみません、最後です。
人の数だけ意見がある、という事であくまでも一意見として書かせてもらいました^^マクロビ実践者として基本の玄米食を否定されたり栄養学だけで悪いと決め付けられる事は残念で、マクロビパパさんはこのように色んな角度から問題点を追求されようとしていると思うし素晴らしい事だと思います。これからも参考になる記事をよろしくお願いします。
21. Posted by たけ   March 05, 2006 00:18
初めまして。たけと申します。東洋医学でも病気を治ると信じる方が気の流れを阻害しないので治ると言われています。桜沢如一氏も「食養にとらわれるなと」言われているようにまずは食の中庸以前に心の中庸が一番大切であると思います。僕は玄米は体に良いと言う以前に白米よりおいしいので食べています。理論的に考えるよりも原始的な感覚や体でこれを食べると調子悪いなとか分かるることが大切だと思います。体に良いから玄米を食べるのではなく、玄米が自分のところに来てくれたことや玄米によって自分が生かされている存在であるということを認識することが大切だし、健康に良いからよく噛んで食べるのでは無くまずはお米を作ってくれた人や(稲=いね=いのちのねっこ=命の根源)に感謝して良く噛んで食べる気持ちが一番大切だと思います。一物全体とは命を無駄にしないこと。
身土不二とは大地への感謝の気持ちにも繋がると思います。
22. Posted by macrobi papa   March 08, 2006 05:40
治子さん。

逆に僕が迷うとき背中を押してもらってるようです。
23. Posted by macrobi papa   March 08, 2006 05:42
Ihsさん。
どうも旅行に行ってから、雲行きが怪しくなってきました。
今年は乳製品は食べないようにしていますが、砂糖が多かったかもしれません。
今から修正していきます。
24. Posted by macrobi papa   March 08, 2006 05:48
キッチンママさん、たけさん、こんばんは。

このブログを見る方はレベルが高いです。
(1)のまま、記事を止めていたのですが、後の記事も
コメントで全部書いてあるような・・(笑)。

僕がなぜ玄米を食べるかは、栄養学的に良いからではありませんでした。感謝の気持ちを忘れることなく頂けるように
心がけます。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔